真珠郎

  • 2011.08.18 Thursday
  • 22:25
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 古谷一行、大谷直子、中山仁 他
【放送】 1978(TBS)

殺人鬼としての教育を受けて育った美少年が引き起こす連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑むミステリー。原作は横溝正史著の『真珠郎』。原作には金田一耕助が登場しないがドラマ化するに当たり原作者である横溝正史の了解を得て登場させている。このドラマは古谷一行主演の横溝正史シリーズ2の第二作目として放送された。尚、角川文庫版では表紙イラストでネタばれしているという悲しい事実が・・・!因みにドラマの時代背景は戦前から戦後の話にリメイクされている。

昭和二十三年、金田一耕助は信州に向かうバスで乗り合わせた乗客の中にかつての親友・椎名の姿を見つけて、再会を喜び合っていた。金田一は椎名と連れの乙骨と共に湖畔に建つ鵜藤家を訪れる。この家に住むのは主の鵜藤と姪の由美の二人きりのはずだったが、夜の湖畔で蛍の群れの中で輝く美少年を見かける。翌日、鵜藤は彼の存在を認めなかったが、金田一達は鵜藤と由美が彼に襲われている場面を目撃する。由美は無事だったが鵜藤は無残な首なし死体で発見される。

タイトルから判る通り、正体不明の美少年の名前は真珠郎。戦慄するのは彼が生まれた由縁である。鵜藤は日本中のありとあらゆる女性達の中から絶世の美女と旅芸人の美しい青年(どんな顔かは頭巾をかぶっているので不明)を選び出し、金を渡して二人の間に赤ん坊をもうけさせた。親同士が美形だからといって子供も美形とは限らないのだが、幸いその子は親の美しさを受け継いだ鵜藤が望んでいた通りの美貌を持った子供。しかも鵜藤はその罪のない子供を蔵に閉じ込め、生き物の首を切って殺すことに悦びを覚えるように育て上げている。幾ら復讐のためとはいえ、自分の復讐の道具として真珠郎を二十年もかけて創り上げてしまった鵜藤の執念深さに背筋が寒くなる思いだった。

勿論、真珠郎誕生の話は全編のごく一部に過ぎない。しかし目的のために人を一人創造するという発想が何より印象深かった。

しかしそれだけの執念で道具を創造した鵜藤が得たものは一体何だったのだろうと考えると空しくなる。鵜藤はただの狂人であり、最後は自業自得だったと片付けられてしまうのはあまりにも悲し過ぎる。結果論にはなるが何故鵜藤が別のことにその執念を燃やさなかったのか惜しまれてならない。

そんな事情はともかくとして、ストーリーは残虐的な殺人事件を悲しくも切ない物語として仕上げている。短めの話ではあるが、非常に印象的なドラマである。

満足度は★★★★★
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