白い巨塔

  • 2011.10.31 Monday
  • 12:18
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 田宮二郎、山本学、島田陽子 他
【放送】 1978年(フジ)

大学病院を舞台に繰り広げられる醜い権力闘争を野心の強い一人の男を中心に綴った山崎豊子原作の『白い巨塔』、『続 白い巨塔』の初の完全映像化。タイトルに「白い」とあるが、TBSの「白い」シリーズとは全くの別物である。1966年には『白い巨塔』のみ映画化されており、その際の主演も田宮二郎が務めている。尚、田宮二郎はドラマ終盤に差し掛かった時期に猟銃で自殺するというショッキングな事件が起き、このドラマが田宮二郎の遺作となった。

浪速大学医学部第一外科助教授の財前五郎は食道噴門癌の権威として知名度は高かったが、東教授とは折り合いが悪かった。そのため野心の強い五郎は義理の父である財前又一の財力と人脈を武器に次期教授の座を自分に有利に持ち込もうと画策する。一方、東教授も五郎が教授になれば引退後の自身の立場が危うくなるため必死に応戦する。病院内の権力争いを五郎とは大学の同期である里見だけは全く関心を示さず研究一筋だったが、自分とは全く異なる生き方をする里見を五郎は理解出来ず見下していた。

序盤は権力の魅力に取り込まれた男達の手段を選ばぬ攻防戦の凄まじさにとにかく魅せられる。どんなに栄華を極めた者でも自分に敵対する人間が力を得れば、即座に足をすくわれあっという間に築いてきた牙城が崩される。それは男だけの戦いにはあらず。家族をも巻き込んだ醜い争いを形成していく。ドラマでは権力闘争の中から躍進する五郎の姿を描く一方で、権力を手にした傲りから自らを滅ぼしていく過程を描いている。

またこのドラマでは加熱する権力争いが目を惹くのは勿論だが、その一方でドラマに登場する人物が非常に特徴的であることに驚かされる。ストーリーは病院内に留まらず数多くの人物が登場するにも関わらず、そのどの人物もきちんと性格づけがされておりドラマ内でそれが顕著に表れている。登場人物が多くなると混乱するものだが、このドラマに限ってはそういうことが殆ど見られない。その中でも絶大な存在感を見せるのが里見助教授。彼は五郎の大学時代の同期でありながら全く権力闘争には興味を示さない。患者のためだけに生きる心ある医師で、五郎とは対照的に描かれており、白熱する権力闘争も見ている分には楽しいが本来医師とはこうあるべきという作者の心情がそのまま里見の形を借りて表現されているように思う。両極端な五郎と里見を名優二人が演じたこともこのドラマを魅力的にした要因だと言えるだろう。

満足度は★★★★★
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