鬼龍院花子の生涯

  • 2012.02.29 Wednesday
  • 23:48
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 池上季実子、加賀まりこ、津川雅彦 他
【放送】 1984年(TBS)

侠客・鬼政とその娘の生涯を鬼政の家に貰われた養女の目を通して描いた宮尾登美子の名作文学『鬼龍院花子の生涯』の実写化。二年前に夏目雅子主演の同名映画が「なめたらいかんぜよ」の告知CMで話題となりヒットしている。このドラマは映画のヒットを受けて制作された。但し、映画程の迫力は無かった。

鬼龍院政五郎(通称:鬼政)は極道・鬼龍院一家を興した人物。跡取りとなる子供が出来なかった事から養子を貰う事にする。しかし連れてこられたのは念願の男児ではなく、松恵という少女だった。養女とは言え、鬼政の妻からは極道の娘として厳しく躾けられる。そんなある日、鬼政の妾が花子を生む。鬼政は実子である花子を溺愛し甘やかして育てる。

松恵がドラマの大部分を担っているため、花子は殆どドラマに登場しない。たまに登場しても遊女のような華やかな衣装を身に着け、我儘な側面が見られるだけと、存在感は皆無と言って良い。そのため原作では主体となっている鬼龍院家の繁栄や衰退が花子の生涯になぞらえている面があまり感じられない。むしろ花子は極道の家に生まれた被害者という意味合いが強く出ている。

おそらくテレビドラマという事で大分表現を和らげたせいもあるのだろう。映画版で見せたような迫力はイマイチ感じられず、また放送回数も少なかった事から急ぎ足でストーリーを追っていった感が強い。

さて最も印象に残る場面は鬼政の正妻が結核を患った場面。結核は感染するため患者は隔離されるのだが、鬼政は無情にも正妻の看病を松恵に命じる。松恵は自らも結核に蝕まれながらも養母である正妻の看病を見続ける。そんな最中、初めて養母が松恵の母親らしい姿を見せる。それまで厳しく接してきた養母の真の思いには心打たれる。

満足度は★★★★
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