人間・失格〜たとえばぼくが死んだら

  • 2012.07.31 Tuesday
  • 22:57
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 堂本剛、堂本光一、赤井英和 他
【放送】 1994年(TBS)

息子が学校に殺された。息子の死の真相を知った父親が修羅と化していく。進学校を舞台に悪質なイジメや教師の体罰等々を赤裸々に扱った問題作。昨年放送された『高校教師』に引き続き野島伸司が脚本を担当し、ショッキングな内容が話題を呼んだ。尚、『高校教師』に出演した桜井幸子、赤井英和が今回も起用された。

元社会人野球の選手だった大場衛は成績優秀な自慢の息子・誠を東京の名門修和学園中等部に編入させ、神戸から引っ越して来る。後妻の夏美は現在妊娠中。素直で明るい性格の誠は中学三年生の思春期でありながらも夏美と良好な関係を築いており、家庭は円満だった。登校初日、誠は同じクラスの武藤がイジメに遭っている現場を目撃する。正義感の強い誠は武藤をかばい、ホームルームでイジメ撲滅を訴える。その事で誠はイジメの標的になってしまう。

とにかくイジメの場面は凄まじい。席にいない誠を生徒達は口を揃えて「いない」と答える。教師は何の疑問も持たない。しかし実は誠は教室の掃除用具入れの中に朝からずっと監禁されており、失禁した姿で解放される。もう教科書に落書きくらいじゃ済まない。誠へのイジメはどんどんエスカレートし、誠がやがて命を落とすまでそのイジメは続いていく。

勿論生徒同士の陰湿なイジメはさることながら、誠を目の敵にして体罰を行う宮崎の狂気、一人の生徒に屈折した愛情を注ぐ新見の狂気、復讐の鬼と化した衛の狂気と大人達の狂気が子供達に負けぬ凄まじさを放っていく。当初の大場家の微笑ましさはどこへやら。坂道を転がり落ちるように激しさを増していく展開は息つく暇さえ与えてくれない。

『高校教師』同様、倫理的にも道徳的にも問題のあるアブノーマルな領域へと踏み込んだ内容で、イジメ、虐待、体罰、同性愛とそれまでは比較的避けて通ってきた内容を敢えて赤裸々に描いている。そのため度々目を覆いたくなるような残虐な場面が登場する。当時はそれが斬新であり、同時にただその残虐さだけを押し出すのではなく、そこには根深い人間の尊厳のテーマがしっかりと存在し、それを詩的とも呼べる表現で描き出していく秀逸なドラマである。

満足度は★★★★★

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