鉢植を買う女

  • 2012.08.05 Sunday
  • 15:58
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 余貴美子、泉ピン子、筒井真理子 他
【放送】 2011年(テレ東)

金を貯める事だけが生きがいの勤続三十年の女が一人の男によって人生を狂わされていく顛末を描いたサスペンス。原作は松本清張著の『鉢植を買う女』。この作品はこれまでにも度々ドラマ化されている人気作品で、松本清張特別企画の一つとして放送された。

上浜樽江は金属産業メーカーに勤務する勤続三十年のお局様。未だに独身で社内ではねちねちとした性格のため煩がられ、陰で『豚の貯金箱』と噂されていた。その一方で社員に金を貸して私腹を肥やしていた。樽江が唯一気を許しているのは食堂で働く茂子。実は茂子が樽江に知恵を授けた張本人でもある。貯めた金で手に入れた豪華なマンションの一室で誰にも邪魔されずに過ごすひと時が樽江の至福の時間だった。ある日、ギャンブル狂で金を返せなくなった杉浦が樽江に金を返せと責め立てられ、突然樽江を襲う。男とは無縁の樽江の体は思わず反応し、樽江は激しく動揺する。

孤独な女の心の隙間に滑り込むように杉浦は樽江と関係を持つ。ギャンブル狂で年中金に困っている杉浦にとって、樽江は願っても無い金づる。傍から見れば杉浦の思惑など手に取るように判るのだが、金を貯める事で淋しさを埋めてきた樽江にはそんな男の企みにさえ気付けなかった。いや、もしかすると心の潤い欲しさに気付きたくなかったのかも知れない。案の定、樽江は杉浦に溺れ、杉浦に嫌われまいと都合の良い女へと成り下がっていく。人の温かみを知らずにいた時間が長かっただけに余計に執着してしまうのである。

以前にも同じ原作のドラマを観ているが、そのドラマとは若干解釈が異なっている。ストーリー自体はほぼ一緒でもヒロインの樽江がどんな心境が解釈の違いで異なってくるのは面白い。勿論、わざと惹きつけるように理不尽な突飛な発想に繋げてしまうのでは興醒めだが、理に適っている中での異なる解釈は非常に興味深い。このドラマの場合、ヒロインは裏切られた瞬間から愛は冷め、愛情は憎悪へと変貌する。これも一つの解釈と考えると、面白いものである。

念願の土地を購入し、見事なガーベラの花壇を作り上げた樽江。しかしラストシーンでそのガーベラ達が散らされていく場面は非常に悲しい物がある。さながら杉浦によって狂わされた樽江の人生そのものであるかのように。

一つ難を言えば、ヒロインの年齢が高すぎるような・・・。

満足度は★★★★★


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