優しい魔女

  • 2019.10.09 Wednesday
  • 16:34

【出演】 イ・ダヘ、リュ・スヨン、ペ・スビン 他

 

見た目はそっくりだが性格は正反対の双子。重病の妹の身代わりを務める事になった姉と超ハイスペックな男達との三角関係ラブコメディー。

 

双子の姉妹――チャ・ソンヒとチャ・ドヒは見た目はそっくりだが性格は正反対。二人は子供の頃から何をするのも一緒で仲が良かったが、二人が高校生の時、父親が理不尽な死に方をしてから少しずつ二人の間に亀裂が生じるようになった。姉のソンヒはソイン大学に主席合格するも家庭の事情から入学を辞退し、妹のドヒは姉の好意を少しも感謝する事無く進学した。その後、ドヒは子供の頃からの夢を叶えて客室乗務員となる。必要なものは金と権力と名誉。恋愛は無駄。家族を捨てて生きるドヒは東海航空の看板スターとして華やかな生活を送っていた。一方、ソンヒは必死に働いて家計を支えていたが、無職の青年――ポン・チョンデと結婚し、人から面倒を押し付けられて損ばかりする人生を送っていた。ある日、ドヒの家を訪ねたソンヒはドヒが元彼にストーカーされている事を知る。ドヒに異変があったのはそれから間もなくの事だった。突然ソンヒを訪ねて来たドヒはソンヒに自分の身代わりを頼んで意識不明の重体に陥る。

 

色々ツッコミどころはあるものの、文句なしに面白い。ドヒの代わりに出社したソンヒが経験も無いのに客室乗務員として飛行機に乗ってしまったり、愛欲を拒否して瞑想に耽るパイロットがいたり、東海航空の御曹司がアラブで遊び暮らしていたりとあまりに突飛でコミカルな設定に初回から食らいついて離さない魅力が満載のドラマである。しかしながらこのドラマで真に訴えたいのは心の優しさこそが人間の強さであると言う事。世知辛い世の中、優しいだけの人間は人に利用されて損ばかりしている。しかし優しさは決して間抜けではない。正反対の性格の双子の姉妹を通じてひしひしと伝わって来る。

 

全20話の韓国ドラマとしては短い内容のドラマだが、テンポは良いし長作のようなだらだら感は皆無。むしろ良くまとまっていて、気楽に楽しめる内容だった。またソンヒとソジンの純愛、悪を許せないソンヒの活躍、可愛らしくてしっかり者の娘・チョロンと先がどうなるのか気になる事ばかり。確かに東海航空のパワハラは行き過ぎた表現かも知れない。時代錯誤という感覚も無きにしも非ずだが、もしもそんなパワハラを解決するにはやはりソンヒのような人間が必要なのだろう。

 

満足度は★★★★★

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マスター・ククスの神 〜復讐の果てに〜

  • 2019.10.06 Sunday
  • 17:51

【出演】 チョン・ジョンミョン、チョ・ジェヒョン、チョン・ユミ 他

 

幼い頃両親を殺されたククス職人が復讐に生きる姿を描いた復讐劇。原作はパク・イングォンの人気コミック『マスター・ククスの神』を実写ドラマ化。

 

各話別のあらすじは別館の方へどうぞ

 

マスター・ククスの神 〜復讐の果てに〜

 

人間は怪物にならなければいけないのだろうか?

 

自らの幸せのために怪物となった男と、その男の犠牲となって命を落とした両親の仇を討とうと決意した男。この二人の生き様が軸となって展開していく。しかし互いに己の目的のためだけに突き進む姿は変わりなく、どんな目的や事情があろうとも己の欲のためだけに生きる人間は怪物となっていく。そしてその怪物に周囲は巻き込まれ、悲しみ、苦しみ、中には命を落とす者さえいる。

 

序盤から人が殺害される等陰惨な場面の多い作品で、キム・ギルトが怪物になっていった経緯が淡々と語られていく。ただ幸せを求めただけ。キム・ギルトは最後にこの言葉を口にする。事実、そうなのだ。貧しい家に生まれ父親から虐待を受けて来たギルトが生き延びるために見つけた術が力をつける事だったのだ。そのためにはギルトは何でもした。人を殺した事も生き延びるための手段だったに過ぎない。何を踏みつけてでものし上がる。傍から見れば身勝手な人間の極致だろうが、彼の身になって考えれば生き抜く事に必死で周囲を思いやる余裕などなかったと思われる。

 

一方、ム・ミョン(本名:チェ・スンソク)はギルトが父親にしたように、全く同じことをやり返して復讐を果たそうとした。つまりそれはギルトの罪を暴くだけでなく、ギルトの栄光を全て奪う事だった。ところが皮肉な事にギルトを復讐するためにミョン自身も怪物のようになっていく。

 

全編がシリアス一辺倒で進んでいく中、ギルトとミョンを取り巻く人々も全てが悲しみや苦しみの中にいて、常に誰かを憎んだり罵り合ったりと、復讐劇とは言えあまりスッキリしないのがこのドラマの特徴である。しかもこのドラマでは特に後半は誰が誰と手を組み、誰が誰を裏切るか等々人間関係が複雑化して時として判りづらくなる。またこのドラマはギルトとミョンの戦いだけでなく、他の人達の、特にミョンの孤児院仲間・ヨギョンの戦いにも目を向けているので、終盤はミョンの出演場面が殆ど見られず、あたかもヨギョンが主役だったかのように見えてしまう。

 

見所としては罪を犯した者がのうのうとのさばる世界を、孤児院出身の四人組が変えていくスーパーヒーロー的な活躍だろう。但し副題にあげられているように復讐が終わったからと言って何もかもが終わるわけではない。大切なのはそれからなのである。復讐に全てを捧げていた者達がどんな未来を迎えるのか。副題にも取り上げられているものの、ラストでは何となくニュアンスだけ伝えられているので、もう少し見てみたい気がした。

 

満足度は★★★★

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臨床犯罪学者 火村英生の推理2019

  • 2019.10.04 Friday
  • 12:51

【出演】 斉藤工、窪田正孝、高橋メアリージュン 他

【放送】 2019年(日テレ)

 

犯罪に魅入られた臨床犯罪学者が助手であり親友でもある推理作家を従えて難事件を解き明かす連ドラ『臨床犯罪学者 火村英生』の一夜限りのスペシャルドラマ。原作は有栖川有栖著の『ABCキラー』。今回もhuluにてオリジナルストーリー『狩人の悪夢』が配信された。

 

英都大学の准教授・火村英生はシャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈江を取り逃がしてからずっと部屋にこもりがちだった。彼女から火村が人を殺したいと思った事のある人間だと指摘されたあの瞬間が未だに鮮明に頭にこびりついている。ある日、火村の下宿に推理作家の有栖川有栖が訪ねて来る。しかし火村は一向に部屋から出て来ない。大家の篠宮時絵の話では大学の講義だけは穴を開けずに出掛けるものの目の輝きが無いという。そんな中、思いがけず警察から捜査協力依頼が舞い込み、二人は揃って大阪府警の捜査本部に出掛ける。現在、兵庫県では至近距離からこめかみを銃で撃たれる事件が相次いで起きている。最初の被害者はフリージャーナリストの浅倉一輝。兵庫県尼崎市の高架橋の下で発見された。次は会社員の番藤ロミ。尼崎市さほど離れていない大阪府尾藤町で発見された。この二つは同一犯の犯行であると警察は見ていた。また大阪府警に『ABCキラー』と名乗る人物から警察及び火村に宛てて挑戦状が送られてきていた。これらの情報を聞いている内に、有栖はアガサクリスティ―の『ABC殺人事件』になぞらえていると騒ぎ出す。ところが火村は模倣犯と決めつけるのは時期尚早であり、挑戦状が事件の後に送られてきているという点を不審に思っていると見解を述べる。

 

何故にこのドラマの続編が制作されたのかがまず第一の謎である。おそらく原作となる火村のシリーズの新作が出たのでドラマも作ってしまえという流れでは無いかと思われるが、中心となる二人がどちらも人気のある俳優なので、連ドラにはならずとも改編期の穴埋めには丁度良かったのでは無いかと勘繰ってしまう。実際、内容はと言えばたった放送時間三十分に凝縮されている事もあって、何だこれは?というような陳腐な出来。無理矢理三十分にまとめました感が出ていてどうにも感情が入っていかないのだ。

 

それにしてもこのお手軽ミステリー感は如何ともし難い。内容的にはもっとシリアスになっても良さそうなものなのだが、火村は淡々と事件を追っていくだけだし、相棒の有栖川は何を言ってもライトで空回り。せっかくのABC殺人事件の見立て設定が泣けてくる。

 

満足度は★★★

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最上の命医2019

  • 2019.10.03 Thursday
  • 12:08

【出演】 斉藤工、田中麗奈、岸谷五朗 他

【放送】 2019年(テレ東)

 

2011年に放送された『最上の命医』から八年。スペシャルドラマ第三弾。天才小児外科医の奮闘を描いた医療ドラマ。原作は入江健三・橋口たかしのコミック『最上の命医』、『最上の明医〜ザ・キング・オブ・ニート〜』。

 

現在、小児外科医の西條命は房総の片田舎にある八田診療所で臨時医師として働いている。明るい看護師の多岐川菜月と共に住人からは慕われ、頼りにされていた。ある日、岬台小学校の教師から相談を受ける。児童の中園柚が毎日のようにチョークを食べていると言うのだ。検査の結果、柚の異食行動は鉄欠乏症によるものと判るが、鉄欠乏を引き起こしている原因は門脈圧亢進症である事が判明する。一刻も早い手術と治療が必要とされるが、生憎柚の母親は手術に金がかかるという理由でまるで取り合ってはくれない。菜月はそんな柚と友達になり、柚も菜月には心を許していくのだった。ところがその柚が突然何者かに誘拐されてしまう。命は犯人を名乗る人物からの呼び出しに応じる。誘拐犯は脱獄囚の佐久間耕作だった。しかも耕作の体には銃創があり、体を横たえていた。柚の命が惜しければ言う通りにしろと命じられた命は、耕作を東房総医療センターへ運んで欲しいと言われて車に乗せるが、途中で顔見知りの警官に遭遇してしまう。何とかその場は切り抜けたものの、警官は命の態度に不審を抱き何かあったのではないかと勘繰り始める。事情を知る菜月が警官を思いとどまらせようと試みたところ、不運にも警官は崖から転落して大怪我を負ってしまう。

 

今回はテロ集団の登場で病院が大パニックに!誘拐事件から端を発し、命も否応なしに巻き込まれてしまう。見所はそんな極限状態で難しい手術が出来るかどうか。例え天才小児外科医とは言っても人間である。突然の出来事の連続に動揺せずに手術を行うのは至難の業。一体、犯人たちの目的は何なのか?

 

そういった突飛な展開に走った割には蓋を開けてみれば見事に呆気ない幕引きとなったドラマだが、その点は目を瞑るとして、目の前の患者を助けたいという強い気持ちと、通常ではない状況により冷静さを欠く命の姿を描いた場面が非常に印象深かった。結果はこのドラマシリーズならではのお約束の結果だったが、命の人間性が垣間見えた。いつもの命はまるで神様のように完璧な人間なので、たまにこういう場面が出て来るとぐっと胸に来るものがある。

 

満足度は★★★★

 

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ボイス 110緊急指令室

  • 2019.10.02 Wednesday
  • 18:37

【出演】 唐沢寿明、真木よう子、増田貴久 他

【放送】 2019年(日テレ)

 

絶対音感を持つ緊急指令室の室長と彼女のミスで妻を殺害された敏腕刑事が組んで、緊急を要するSOSに対応していく。頼りは電話から聞こえる音だけ。緊急指令室の活躍を描いた刑事ドラマ。原作は韓国ドラマ『Voice』シリーズ。

 

2016年、横浜埠頭では犯罪グループが取引を行う現場を取り押さえようと港東署強行犯一係が張り込んでいた。本部の指令を待って突入する予定だったが、気の逸る『ハマの狂犬』こと樋口彰吾係長は待ち切れず部下に犯罪グループへの突入を宣言し、自ら率先して犯人グループと格闘していた。その時、妻・未希からの着信があったが業務を優先した。同じ頃、緊急指令室に女性の声で助けを求める電話がかかっていた。応対した橘ひかりは電話越しに相手を落ち着かせて居場所を確認しようと躍起になっていた。しかしその女性は何者かに追われている様子で途中で通話が切れてしまう。ひかりは相手の状況を考えて再通話を躊躇うが、上司が再通話を強要し、その結果、通話の際のコール音が鳴ったせいで女性は追って来た何者かに発見され無残にも殺害されてしまった。完全な上司の判断ミスだったが、卑劣にも上司は全ての責任をひかりになすりつけた。犯罪グループを一網打尽とした彰吾は部下達と祝杯をあげている最中、未希の訃報を聞き愕然となる。元の形が判らない程に殴打された未希の遺体と対面した彰吾は復讐に燃え、強引な手段で容疑者に名前の挙がった相良を逮捕する。一か月後行われた裁判ではひかりが証言台に立ち、未希との通話中に聞いた声と相良の声が違うと証言する。証拠として未希とひかりの通話記録が法廷に流されるが、肝心の犯人の声は記録されていなかった。あれから三年が経ち、彰吾は交番勤務に異動になっていた。かつての強行犯係で活躍していた姿は見る影もなく、同僚からは見下され、唯一かつての部下・石川透だけが彰吾の身を案じていた。一方、ひかりは自ら希望を出して港東署の緊急指令室室長に就任し、早速被害者を迅速に救出するためのチームECUの設置を警察幹部に要請していた。幹部達が緊急指令室を視察中、男に誘拐された女性からの助けを求める電話がかかってくる。

 

緊急指令室が舞台の作品だけに、どの案件も緊急性が求められ終始緊迫感のあるドラマである。電話から聞こえて来る声と音を頼りに状況を判断し的確な指示で動かなければならない。一つ手違いがあっただけでも助けを求めて来た相手を死なせる事もあるのだ。

 

そんな鬼気迫る状況の中で進んでいるドラマであり、しかもその中心となって動いている人物・橘ひかりと樋口彰吾の二名は何れも三年前に大切な家族を失っている。それ故、緊急指令室の必要性が身に染みて判っているのである。それぞれの案件に対応するECUのチームワークを見つつ、橘と樋口が家族を失った事件を三年の時を経て解決するまでを描いている。サスペンス要素満載のドラマだけに一度見たらついつい先が気になってみてしまう中毒性がある。

 

ドラマの内容はともかく、とにかく言えるのは伊勢谷友介演じる雫の狂気のド迫力につきる。そもそもケトルベルを自由自在に振り回すなんて誰が考えたのだろうか?しかも血や髪の毛がついたままの状態でコレクションにしているし。サイコパス演出が半端じゃない。正直、雫の絶対的な存在感がドラマの後半は主役を凌駕してしまった感じさせする。雫の狂気が晒される度にこのドラマの面白さが増幅していった。

 

満足度は★★★★★

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