蒼い描点

  • 2014.04.13 Sunday
  • 00:15
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 菊川怜、黒田福美、田辺誠一 他
【放送】 2006年(フジ)

黒い噂のある記者の転落死が元でベストセラー作家の盗作疑惑が持ち上がる。特ダネの匂いを嗅ぎつけた編集者と作家の担当編集者が事件の謎に迫るミステリー。原作は松本清張著の『蒼い描点』。

日本現代文学大賞を受賞した村谷阿沙子がスピーチを行っている中、会場に押しかけた出版社達は陽光社『週刊文論』の編集者である椎原典子を戦々恐々と見つめていた。阿沙子は気分屋で気難しく扱い辛い作家。それなのに何故か典子だけはお気に入りで、姉妹のような関係を築いていた。締切間際のある日、突然阿沙子が箱根の強羅環翠楼へ行くと連絡してくる。典子は原稿を貰いに慌てて箱根に会いに行った。これは筆が進まない時の阿沙子の癖で、これまでにも度々こんな事があった。ところが原稿は出来ておらず阿沙子から別の旅館へ泊れと言われてしまう。その夜、阿沙子がどこかに出掛ける姿を見て典子は連絡を入れるが、連絡は取れなかった。その後、阿沙子は監視されているみたいで気分が悪いと言って勝手に東京へ帰ってしまう。典子も東京へ戻ろうとした時、昨夜会った田倉記者が橋から投身自殺をした現場を通り掛かる。

興味深いのは典子が事件について調べ始める動機。姉のように慕う阿沙子の疑惑を晴らしたくて事件を調べる事になる。それをよりにもよって、特ダネだと飛び付く先輩記者の崎野と行動を共にして。全く正反対の動機で二人の記者が事件を調べる発想は面白い。

但し記者としてみれば典子はまだまだ未熟者。盗作と聞けば週刊誌の記者は飛びつくはず。ところが典子は記者としての責務より感情の方を優先してしまう。最後に崎野に見事にそれを指摘されてしまう場面に思わずにんまりしてしまう。

一人の男の転落死から裾野を広げていくストーリーはなかなか面白いものの、このドラマの場合は広げるだけ広げてバタバタしている内に解決してしまった感じが強い。主役である菊川怜の朗読が常にべたっとしていて、真実に迫っても緊迫感や臨場感があまり感じられないのが難点である。

満足度は★★★★

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夜桜お七殺人事件

  • 2014.02.14 Friday
  • 18:56
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【出演】 坂本冬美、西村和彦、朝丘雪路 他
【放送】 2006年(テレ朝)

芸者と検事の二足の草鞋を履く女が記憶喪失の友人の空白の二年間を暴く。演歌歌手の坂本冬美がドラマ初出演。芸者、検事、ホステスと様々な扮装で登場!自身のヒット曲『夜桜お七」をモチーフにしたミステリードラマ。

宮城県の愛子に住む大山七々子は仙台地方検察庁に勤務する検事。しかしその裏では『春駒』という名で芸者をしていた。ある日、七々子は刃物で胸を刺された男を路上で発見される。男は「夜桜お七」と言い残して息を引き取る。現場に駆け付けたのは所轄の戸部刑事。戸部は春駒の贔屓の客でもある。七々子は素知らぬ顔で戸部を激励する。その翌日、二年前から行方不明になっていた入江美保が訪ねてくる。美保は自分の家が無くなったとかなり動揺していた。しかし美保は行方不明の間の二年間の記憶はなく、自分が派手な身なりをしている理由も判らなかった。おまけに腕には血が!七々子の母親が気味悪がって専門の施設に任せようと話していると美歩の様子が豹変する。

友人が絡んでいる事件だと知って検事自らが捜査に乗り出すという内容で、捜査のためにはホステスとなって潜入捜査まで行ってしまう変幻自在な姿を披露する。おまけにステージで「夜桜お七」を歌ってしまうのはご愛嬌。また事件担当刑事は主人公にぞっこんで、全ての面で協力的でいう都合の良い設定になっている。

主演の坂本冬美は本業が歌手だけあって声は良いのだが、芝居とはまた違った種類の声質のためどうしてもドラマの中では彼女の声だけが浮いてしまう。芸者姿も様になっているし、演技もそうは悪くないのだが、声質で大分損をしている。

さて妻の失踪が記憶喪失のせいとは知らず、妻が突然いなくなった後、当時まだ四歳の子供を抱えて苦労した夫が妻を容易に許せないのは判る。その間に優しくしてくれる女性が現れたなら、その女性に心を移しても仕方がないと思う。検事の活躍により事件は解決し、家族がどうなるかは本人次第。元通りの幸せな家庭を取り戻したいなら妻を許すしかない。例え空白の二年間に何があったとしても、子供は依然として母親を恋しがっているのだから。一応、大団円には違いないが、厳しい道のりであるのは違いない。ドラマではその点には一切触れていないままで、あくまで友人として支えようとした七々子が男性陣にモテモテである面を強調して終了する。そのため意外とハードな内容ではあったにも関わらず軽いノリで終わってしまった感が強い。

満足度は★★★★

林あまり,若草恵,カラオケ
EMIミュージック・ジャパン
(1994-09-07)

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超豪華客船殺人航路 〜新船長の航海事件日誌〜

  • 2014.01.29 Wednesday
  • 22:44
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【出演】 船越英一郎、木内晶子、遊井亮子 他
【放送】 2006年(テレ朝)

苫小牧ー名古屋間を航海する豪華客船の乗客が水死体で発見された事件を皮切りに政治絡みの事件に船長が巻き込まれていくサスペンス。土曜ワイド劇場では2002年まで高橋秀樹主演の『杉崎船長シリーズ』が十三作制作されている。このドラマはそのリニューアル版。かつては杉崎船長の同僚として出演していた船越英一郎が主演を務めている。ストーリーの繋がりはない。尚、ゲストとして高橋秀樹が先輩船長として登場する。

苫小牧−名古屋航路を航行する太平洋フェリー『きそ』の船長・川上要一は船員から慕われる人望の厚い人物。またサービス精神も旺盛で客の望みとあれば喜んで社交ダンスの相手もする。フェリーが名古屋港を出港した夜、川上が乗客の社交ダンスの相手をしている頃、甲板では若い女性の携帯電話を奪おうと男と揉み合いになっていた。しかし男は海に転落。難を逃れた女性は携帯電話のメモリーを取り出し、履歴を全て削除した。そのままフェリーは何事も無く苫小牧に到着し、川上は家のある函館へと向かう。その際、船員の和田蛍も函館に住みたいと駄々をこねてついて来てしまう。川上の家は市場で働く母親と入院中の妻・清美と仲の良い家族だと蛍ははしゃいでいたが、実は川上はまだ独身で母親も本当の母親ではなかった。

まるでアクション映画でも観ているような派手なアクションが至る所で見られ、ロシアで訓練された特殊工作員が登場したり、川上自身もかつてプロから声がかかっていたボクサーだったという設定になっており、これまでの夫婦の絆や船乗りとしての誇りを前面に押し出してきた『杉崎船長シリーズ』とは随分違った雰囲気になっている。

だからと言って全く家族の話が出て来ないわけではない。川上にはかつてプロボクサーへの道を諦めた背景があり、川上がその贖罪のために今の家で暮らしている事になっている。また結婚を考えている女性は難病の筋萎縮症を患っており、両想いでありながらも結婚に踏み切れずにいる等々複雑な事情を盛り込み過ぎ。

事件を追う側面と家族の問題としての側面。どちらにも力を入れているのは判るが、少々手を広げ過ぎてしまった感じが拭えない。一応事件は解決したものの、事件の謎を解き明かすよりも川上の拳が復活した事を喜ぶ場面に首を傾げるばかり。何もこれならば船長シリーズのリニューアルというポジションにしない方が良かったのではないかと思う。

結果から言えばこのドラマはシリーズ化されていない。川上の人間関係の問題はおそらく二作目以降で回収の予定だったのではないかと思うが、残念ながら完全に投げっ放しとなってしまった。事件の方は割合楽しめるが、中途半端に終わらされた感じがどうも気に入らない。

満足度は★★★★

玉城千春,金城綾乃,重実徹
ビクターエンタテインメント
(2004-01-21)

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  • 2014.01.12 Sunday
  • 12:41
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【出演】 後藤真希、星野真理、萬田久子 他
【放送】 2006年(日テレ)

女は指で愛し合う。

スターへの階段をのぼる新人女優を巡る女達の愛と嫉妬と野望。フリージャーナリストが謎めいた新人女優の過去を体を張って暴き出すサスペンス。原作は松本清張著の『指』。このドラマは原作とは異なり芸能界の華やかな世界を舞台にしたストーリーに改編されている。1982年には同枠(火曜サスペンス劇場)で名取裕子主演による同じ原作のドラマが放送され、そちらは歴代の火曜サスペンス劇場の中で最高視聴率を獲得している。

新人女優賞を受賞した福江弓子は今や若手新人女優として確固たる地位を築いていた。番組『スターの階段』のディレクター・安田は弓子のスターになるまでの軌跡の企画を立てるが、弓子はなかなか素の自分を見せようとせず、また貧しい時代を支えてくれたパトロンや女手一つで育ててくれた母親を隠そうとする等苛立ちを隠せなかった。一方、崖っぷちのフリージャーナリスト・鈴木香織は連続愛犬殺人事件を追って、起死回生のために公園で囮調査を行っていた。その最中、犬の死骸を捨てた人間を目撃し、追いかけるとそれは何と弓子だった。弓子は連続愛犬殺人事件の犯人として警察に逮捕される。ところが弓子は愛犬を誘拐した犯人から居場所を聞いて現れただけだと証言。おまけに香織の撮影したカメラは赤外線ボタンを押していなかったために何も映っていなかった。番組をクビになった香織は安田と組んで弓子の過去を暴こう画策する。

ドラマの大半は弓子の回想で成り立っていて、弓子が過去にどんな経緯で犯罪に手を染めてしまったかを追う内容になっている。華やかで輝かしい栄光を手にした弓子の過去は公に出来ないような暗黒の闇。持ち前の美貌故に二人の女から溺愛された弓子。愛欲の奴隷に身を落とし、邪魔する者は容赦なく切り捨て、踏み台にしてのし上がってきた。

そんな弓子の前に現れた香織もまた弓子と同じタイプの人間。最終的にどちらに軍配があがるかが見物である。

後藤真希主演で注目を浴びたドラマであるが、濃密な内容の割には際どい場面はさほどない。泥沼な女性達の関係も意外にあっさりしていて興ざめだった。また弓子にも香織にものし上がろうとする女の気迫や必死さが欠乏気味なのもいただけない。

満足度は★★★★

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波の塔

  • 2013.04.04 Thursday
  • 23:26
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【出演】 小泉孝太郎、麻生祐未、柳葉敏郎 他
【放送】 2006年(TBS)

将来を嘱望された新米検事と謎の人妻の純粋な愛。禁断の愛に身を委ねた男女の愛の行方を描いた大人のラブストーリー。原作は松本清張著の『波の塔』。

小野木喬夫は東京地方検察庁の新人検事。古代遺跡を探索するのが趣味で、休暇を利用して京都旅行へ来ていた。その時、旅先で出会った結城頼子という女性に好意を持つ。しかし小野木が名刺を渡して素性を明かしたにも関わらず頼子は自分の素性を一切明かさなかった。一方、小野木と同じ宿に宿泊した田沢輪香子は婚約者がいるにも関わらず小野木に好意を寄せる。東京へ戻った小野木は検事の業務に取り組んでいたが、その最中非通知でかかってきた頼子からの電話にいそいそと会いに行く。以来、小野木と頼子は度々逢瀬を重ねる仲に。二人のデートを偶然見かけた輪香子は小野木を何とか食事に誘い出すが、その店で頼子の姿を見掛ける。

運命的な出会いをした男女が恋に落ちるのは決して珍しい話ではない。幾ら運命とは言っても出会う時期が遅ければ、それだけ障害も多くなる。その障害を乗り越えて愛を成就するか、それとも障害に負けて仲を引き裂かれてしまうのか、そうした経緯を題材にする作品はこれまでにも幾度となく世に出てきた。このドラマもその一つと言える。叙情的に描かれた冒頭部分はあたかも渡辺淳一作品を思わせるが、社会派の背景を持つ作品に仕上げられている所は松本清張作品である事を顕著に主張している。

世間には後ろ指を指される不倫愛も当事者の身になって描けば清らかな純愛になる。愛を成就すれば、それは小野木の破滅に繋がる。しかし惹かれ合った心はお互いを求めて止まない。そんな身動きの取れない不倫愛にどんな結末をつけるかがこのドラマの見所なのだが、まあ順当なラストで締め括ったようにも思える反面松本清張作品と考えると少々短絡的過ぎるようにも思える。そこがミステリー作品とラブストーリーとの差なのだろう。

満足度は★★★★
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けものみち

  • 2013.03.31 Sunday
  • 19:36
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【出演】 米倉涼子、佐藤浩一、仲村トオル 他
【放送】 2006年(テレ朝)

けものみちとは動物達によって自然と作られた小路。迷い込んだ者は二度と引き返す事が出来なくなる事がある。過去を捨て、とある大物の愛人となった女性が自ら女帝となるためにのし上がっていく。けものみちに足を踏み入れた一人の女の物語。松本清張著の『けものみち』を米倉涼子主演で連続ドラ化。このドラマはこれまでにも池内淳子主演で映画化、名取裕子、十朱幸代主演でテレビドラマ化されている。

料亭旅館『芳泉閣』の中居として働く民子は休憩時間に宝飾品のデザインを夢中になって描いていた。元々民子はジュエリーデザイナーを目指して夫と工房を経営していたが、夫は脳梗塞の後遺症で体が不自由になり、以来生活費と夫の治療費のために民子は中居として働かざるを得なかった。民子がいない間、夫を家事手伝いの奈々美が看ているが民子は二人が男女の関係になっている事に薄々感付いていた。ある日、民子は『芳泉閣』を度々訪れては民子を指名する客・小滝から過去を捨てて新しい人生を切り開いてみないかと誘われる。DVに走る夫に愛想を尽かせていた民子は小滝の誘いに魅力を感じるが、具体的な事は何一つ聞かされない事に不安も感じていた。しかし決断を迫られた民子は過去を切り捨てるために自宅に火を放って夫を殺害する。

小滝が民子に望んだのは政財界に多大な影響力を持つ鬼頭洪太の愛人。ところが民子はそれだけで満足する女ではなかった。以前の運に見放された可哀想な女の仮面を拭い捨てた民子は大胆で狡猾な女へと変貌していく。洪太の女として生きるだけではいつか洪太に飼い殺される。海千山千の輩がはびこう中、民子は自らその連中に刃を向けていく。

豪華な顔ぶれがずらりとそろったキャスティングは迫力ある世界観を醸し出してくれる。特に鬼頭の存在感には圧倒される。次第に女帝として頭角を現す民子も鬼頭の前ではただの女に成り下がってしまう。そういう演出なのではなく、役者としての格の違いが画面からもろに伝わってくるのである。裏の世界を舞台にした息つく暇もないストーリーもさることながら、ベテラン俳優勢が集いぶつかり合う場面にも魅せられる。

面白いの一言に尽きるドラマなのだが、万人受けするような内容ではない。民子ののし上がる話ではあるものの、民子が正義とは言えない。このドラマの中では誰もが黒か灰色なのである。常に真っ暗な闇の中を手探りで進むような話は松本清張らしいと言えるものの、このみは別れるだろう。

満足度は★★★★★

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妻は多重人格者

  • 2012.11.16 Friday
  • 13:47
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【出演】 高嶋政伸、松下由樹、橋爪淳 他
【放送】 2006年(フジ)

解離性同一性障害――多重人格に悩む女性の実話を元に実写化した再現ドラマ。原作は花田深著の『妻は多重人格者』。多重人格者の妻を支える家族愛を中心に描いていく。

それは一本の電話から始まった。矢島家は画家を目指す絵画の非常勤講師・真司、妻の亜希子、三人の子供達と一家五人平凡ながら幸せな生活を送っていた。ところがある日金融業者からの電話がかかり、借金の返済期限が過ぎていると催促される。真司は亜希子に問いただすと、亜希子発案の健康グッズを扱った会社の経営が危機に瀕しているとの事。借金は40万円だと聞いて亜希子に40万円を渡す。ところが他の金融会社からも電話がかかるようになり、更に亜紀子を問い詰めると本人は幾ら借金があるか判らないと言う。その上、真司は講師をクビになる。追い詰められ心中を決意した時、突然亜希子が豹変し真司を川へ突き落そうとする。

主人格・亜希子の中に潜む別人格は次の通り

・シズ→カオリを唆して亜希子達家族を破滅させようとする老女。若い亜希子が流産した時の自殺願望や絶望、孤独の中から生まれた人格。

・ケン→カオリが周囲に害をなすのを止める人格。一人称は『ボク』。まだ少年で亜希子や真司を親だと慕い、カオリがシズに唆されて亜希子を殺そうとしているのを知っている。

・リサ→指しゃぶりの癖のある幼女。一人称は『ワタシ』。ケンと仲が良く、ケンから情報を得てカオリが亜希子を殺すのを止める人格。

・カオリ→金を借りた張本人。亜希子の痛みや苦しみを引き受ける存在として生まれた攻撃的な人格。一人称は『オレ』。

通常、多重人格者は幼い頃に受けた虐待が原因で発症する場合が多いと言われている。実際そうした症例はダニエル・キース著の『24人のビリーミリガン』に代表される書籍等々でも紹介されている。大抵は10代の頃に発覚すると見られているが、亜希子の不幸は三十歳になるまでその症状に気付かなかった点にある。

しかし真司は亜希子の病気を知っても亜希子から離れて行かなかった。亜希子の中に潜む別人格とも家族全員が協力して上手く接していく。また夢ばかりを追いかけていた真司が妻を守ろうと決意した事から、多くの人々の力を借りて金融業者に立ち向かう中で自分自身を成長させていく姿も見応えがある。多重人格との戦いは壮絶な戦い。亜希子が病気を克服するには家族の強い絆が絶対的な条件となる。

多重人格者が目指す最終的な段階は『統合』。それぞれの別人格を主人格が取り込み、一つの人格となる事。そうしなければ記憶の繋がっていない人格の記憶を把握する事は出来ない。ドラマではその段階まで到達する事は望まず、別人格と上手く共有して生きる方法を選択する。

満足度は★★★★★
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赤い霊柩車21 灰色の容疑者

  • 2012.08.08 Wednesday
  • 00:38
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【出演】 片平なぎさ、北原佐和子、丘みつ子 他
【放送】 2006年(フジ)

葬儀屋の女社長が事件解決のために活躍する赤い霊柩車シリーズ第二十一弾!莫大な遺産の相続人の謎の死の真相を暴く。原作は山村美紗著の『灰色の容疑者』。まだ黒々とした髪の神田正輝が何とも若々しく見える。

良枝のお花の教室の友人・梨田絵里子が自殺を図ろうとしていた現場に偶然明子と恋人の春彦が居合わせる。絵里子は資産家の娘で夫は医師。何か悩みがあるような様子だったが、明子が尋ねても口を濁すだけだった。後日、絵里子は自宅の二階の窓から転落死する。遺体のそばにはライターと布団。警察は自殺と事故の両方から捜査を始める。連絡を受けた良枝が明子と共に梨田家を訪ねると、狩谷警部から他殺の可能性があると耳打ちされる。

開始早々見事なまでの複雑な人間関係が明らかになる。亡くなった絵里子の母親は絵里子が高校生の頃に男を作って家出したが、絵里子の父親が亡くなった時に遺産目当てに戻って来ている。遺言により絵里子が遺産を全て相続したが、家には母親とその交際相手の田代が居座っている。当然ながら絵里子夫妻と田代や母親との仲は険悪そのもの。しかも絵里子の夫には女の影が!そんな中、絵里子が死亡。疑ってくださいと言わんばかりの設定である。

事件の鍵は絵里子の母親が出戻って来た理由。

多少女性贔屓とも思える事情は作者が女性である故であろう。

それにしても石原葬儀社の経営状態は深刻である。今月になってから一件の葬儀依頼もなく、このままでは社員の給料すら危ういという。そんな危機的状況ですら明子はのうのうと春彦とデートしているのだから、呑気過ぎるにもほどがある。絵里子の葬儀がなければ石原葬儀社はどうなっていたことやら。秋山の苦労は尽きない。

秋山の苦労をよそに今回も探偵ごっこを始めてしまう明子と春彦。関係者を訪ねた際に管理人の前で見せた猿芝居は息もピッタリ。管理人から「夫婦喧嘩」と言われて、つい喜んでしまう明子が可愛らしい。

満足度は★★★★
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共犯者

  • 2012.07.07 Saturday
  • 02:17
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【出演】 賀来千香子、とよた真帆、室井滋 他
【放送】 2006年(日テレ)

盗んだ金で成功を収めた女が自滅するまでの心の闇を描いたミステリーサスペンス。原作は松本清張の『共犯者』。このドラマは松本清張スペシャルドラマとして放送された。

二人の女が手を組んで盗みに入り大金を手にした。その途中、老人に気付かれ突き飛ばしてしまう。八年後、人気レストランチェーン『TAKUMI』の社長を務める内堀江梨子は大のマスコミ嫌いで、社長の過去は秘密に包まれていた。ところがIT業界の革命児・倭との会食が親密デートとして報道されてしまう。実は江梨子は会社を設立させるための費用に盗んだ金を注ぎ込んでいたのである。共犯者の女とは八年前の約束で一度も会っていない。報道を見て届いた辛辣なメールを見ている内に、鮮魚市場で出会った彼女の事を思い出し、若杉探偵事務所に調査を依頼する。

『あんたの過去を知っている』

ただその一言の文章が、江梨子の心を果てしない闇に突き落としていく。誰のメールかは判らない。過去と言っても何の過去なのかも示唆していない。そんな曖昧な、もしかしたら単なる悪戯かも知れない文章に決して人に明かせない過去を持つ江梨子には脅迫に思えるのである。

過去に怯える江梨子は次第に猜疑心の塊になっていく。常に共犯者の影に怯え、今にも自分の成功を妬んで押し入ってくるような強迫観念に捉われてしまう。別に近くに誰かがいるわけじゃない。強い強迫観念が幻を作り上げてしまうのである。本当に恐ろしいのはありもしない敵ではなく、己の心。やがて江梨子は人間不信に陥り、誰も信じられなくなっていく。

面白いのは江梨子から依頼を受けた探偵達が江梨子と共犯者の女との関係に全く異なる観点から迫ってしまう事である。それが目的であったわけじゃない。しかし探偵という職業柄、興味のある物事には勝手に追求してしまう。江梨子が知らない間に第三者の手で暴かれていく過去。果たして共犯者はどこで何をしているのか?

江梨子のサイドと探偵のサイド、双方の側面から追う構造はなかなか面白い。

満足度は★★★★★
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離婚妻探偵

  • 2012.07.05 Thursday
  • 00:03
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 杉田かおる、沢田亜矢子、雛形あきこ 他
【放送】 2006年(TBS)

離婚経験のある三人の離婚妻探偵がクライアントの殺人事件に巻き込まれる。本格的な浮気調査事情を取り入れながら、事件解決に乗り出す女探偵物語。しかも演じているのはリアルでバツイチの女優陣!

藤崎花、高柳百合、栗原みずきの三名は共に離婚経験者で結婚生活に悩む女性達のために離婚専門の探偵事務所・離婚妻探偵社を設立して五年になる。主な仕事は浮気調査。その上で相談に訪れた女性に離婚等適切な処置をアドバイスする。ある日、探偵社に遠山美香子が訪れる。美香子から話を聞いた三人は早速夫・隆文の浮気を疑う。調査の結果、三人が睨んだ通り隆文は部下と浮気中。ところが美香子は夫の浮気は自分のせいだと言い出す。その夜、隆文の浮気相手がマンションで殺害される。現場から逃げる美香子が目撃されていた。

探偵の三人はいずれもわけありの女性ばかり。

●高柳百合
探偵社オーナー。不妊治療中に実業家の夫が愛人を妊娠させ離婚。
●藤崎花
エリート刑事である元夫の男尊女卑思想についていけず離婚。
●栗原みずき
ホストの元夫からのDVに苦しみ、元夫が幼いわが子に手をあげたため離婚。

今回は容疑者として逮捕された美香子のために花が中心となって事件解決に乗り出すというストーリー。その裏には美香子を放っておけないという花の情に厚い性格と、事件を担当する元夫への対抗心がある。状況は圧倒的に美香子に不利。おまけに捜査中に花自身が殺人容疑で逮捕されてしまう。

コミカルでお手軽なサスペンスではあるものの、俳優陣がベテラン勢ばかりで安心してみていられる。殺人事件を追う探偵物としては少々物足りないものの、離婚によって生じる問題などにも何気なく目を向けている所に好感が持てる。離婚が夫婦の問題を全て解決してくれるわけではないと暗に訴えているように思えた。

満足度は★★★★
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