白い乳房の美女

  • 2011.04.20 Wednesday
  • 12:28
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 天知茂、岡田奈々、荻島真一 他
【放送】 1981年(テレ朝)

天知茂扮する明智小五郎が数々の難事件を鮮やかに解決する土曜ワイド劇場の人気シリーズ。このドラマはそのシリーズの第十六作目として制作されている。原作は江戸川乱歩著の『地獄の道化師』。この作品は一般向けと子供向けに書き下ろされた二種類があり、子供向けには明智小五郎作品にはお馴染みの少年探偵団が登場する。

白井バレエ団では『白鳥の湖』のオデット役を二人のバレリーナが競い合っていた。候補者は華やかで美しい麗子と清純派の愛子。どちらも甲乙つけがたくバレエ団主催者の白井は頭を悩ませていた。ある日、車両同士の衝突事故が起こり、車から転がり落ちた石膏像から顔を潰された若い女の遺体が発見される。遺体の乳房に特徴的な大きな黒子があったことから、行方不明になっていた愛子の姉・美彌子と特定される。愛子の証言から、美彌子が姿を消す直前、道化師の人形が送り付けられていた事が判明する。

この後、地獄の道化師と名乗る殺人予告が送付され、第二、第三の犯行が行われていく。明智はその事件を担当することになる。被害者の一人が硫酸を頭からかけられる場面があるので、硫酸と言う薬品が恐ろしい殺人兵器であるかのように捉えてしまった覚えがある。

原作ではバレエ団の設定はなくもっとシンプルな内容になっているのだが、まあ、それはさておき、それ以外のストーリーは設定の違いはあっても比較的原作に忠実になぞらえて制作されている。原作で設定された時代もこのドラマが放送された当時も科学捜査はまず行われないので、現代設定でこのストーリーが成立することは非常に難しい。というのは石膏像から身元不明な遺体が発見されれば、体の特徴だけで身元を特定することはまずあり得ないからである。逆に言えば確信的な要素が少ないからこそ多くのロマンが広がっていくとも言える。

ところでこの時間枠の明智シリーズではお色気ある場面が必ず登場するのが必須条件となっている。今回のドラマではヒロインの岡田奈々にはそうした場面がないが、代わりに姉役の片桐夕子がしっかりとその役目を果たしている。そもそも乳房に特徴があるという設定なので出さないわけにはいかない。片桐夕子は他の作品にも登場しているが、裸になる場面が多いので、いつしかこの人は脱ぐという先入観が生まれてしまった。

満足度は★★★★★
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京都妖怪地図2 きらら坂に住む400歳の氷女

  • 2010.04.24 Saturday
  • 00:06
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ 
【出演】 宇津宮雅代、名高達郎 他
【放送】 1981年(テレ朝)

夏になると放送される京都を舞台にした土曜ワイド劇場の怪談シリーズ第二弾!

上田秋成著の『雨月物語』を題材にした前作が好評だったため、今回は設定を変更したオリジナルのストーリーで制作されている。とは言っても設定に多少の違いがあるだけで、基本的な話の筋は殆ど前作と変わっていない。何らかの原因で最愛の人を失った女がその想いを断ち切れず、人間とは非なる存在に変わり果てて長い年月待ち続けた結果、ようやく生まれ変わった最愛の人と出会い再び恋の炎を燃え上がらせるという流れは前作と全く一緒である。そのため前作を見た人にとってはあまり代わり映えのしないドラマになっている。

今回は冷たい氷室に400年の間住んで最愛の人を待ち続ける氷女の話。京都で連続殺人事件が発生し、その捜査線上に浮かび上がったのが妖艶な女。彼女を調べる目的で近付いた男が実は彼女が長い間待ち侘びていた最愛の人の生まれ変わりだったというストーリー。

氷女と吸血鬼の違いはあれど終盤までの流れはまるで同じなので先が容易に見えてしまう。せっかく長い年月待ち続けた愛情も時の流れには適わない。巡り会えたその時には既に自分は人間では無くなっており、二人の間には如何ともし難い隔たりが出来てしまう。相手は生まれ変わりとは言っても最愛の人と同一人物ではない。きっと悲恋になるだろうと判っていても、それでも想いを寄せずにはいられない悲しい女心が切なく描かれている。

そんな中で唯一大きく違う点は女が語る過去の話の中身。前作では男が生まれ変わったことにさほどの意味は持たなかった。ところが今回はそうでは無く、男は前世の因縁を引きずって生まれ変わるべくして生まれ変わっている。しかもその因縁が女の男への執着を絶たせる要因になっているとは何とも皮肉な話である。前世と現世。時を隔てたその中に重なり合う何かが存在するようなストーリーは神秘的で何となく惹かれてしまうから不思議である。

現在はホラーと言えばスプラッタ系の見た目に度肝を抜くような恐怖感が一般的である。しかし時にはこうした古典的怪談を楽しむのも一興だと思う。グロテスクな表現に慣れてしまった現代人には視覚的な恐怖感にやや物足りなさはあるものの、じんわりと心に訴える日本古来の良さを持っている。

満足度は★★★★
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悪魔を見た家族

  • 2010.02.24 Wednesday
  • 00:00
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 草笛光子、中島ゆたか、豊原功補 他
【放送】 1981年(テレ朝)

平穏な家庭を突如として悪夢が襲う。あまりに高く付いた浮気の代償を描いたサスペンス。原作は斎藤栄著『悪魔を見た家族』。

大学教授の東海林はテレビのニュースで宿泊したホテルでコレラ患者が出たとを知る。しかし偽名を使って愛人と宿泊していたことを公にすることが出来ず、何事も無かったように帰宅し、普通の生活を送っていた。そんな最中、姪の絞殺死体が発見されたことを皮切りに、家族に次々異変が起こり始めるというストーリー。

このドラマを見ていて最も衝撃的だったのは東海林の長女の体に起こった異変。まだ高校生の長女は実は妊娠していて、父親が安易に家庭に持ち込んだコレラ菌の影響で流産してしまう。しかも流産した場所は自宅のトイレ。勿論こんなことを両親には言えない。死産した胎児の処分に困った長女は袋につめて弟に廃棄を頼むという下りは、初めて見た当時は愕然とした。死産とは言え、自分の子供をまるで生ゴミ扱い。

表向きは誰もが羨むような理想の家族。しかしほんの些細なことがきっかけで隠れていた綻びがあらわになってしまう。そして口を開けた地獄へ真っ逆さまに落ちていく。このドラマではそんな家族の落ちていく様を露骨に示している。あまり気分の良いドラマとは言えない。

満足度は★★★★
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第三の来訪者 危険な結婚

  • 2010.02.05 Friday
  • 00:02
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 岡江久美子、大和田獏、秋吉久美子 他
【放送】 1981年(テレ朝)

原作は阿刀田高著の『来訪者』。この作品は推理作家協会賞を受賞している。

三流の舞台役者に甘んじていた男は富豪の娘と恋愛関係になり、彼女の口利きでスターへの階段を上り始める。しかし彼には同棲中の恋人がいる。恋人は彼を決して誰にも渡そうとはしなかった。一つの殺意が新たな殺意を生む連鎖を描いたミステリーサスペンス。

このドラマはストーリーの展開上、次々視点が変わっていく。そのため最初は恋人がいながら損得勘定で富豪の娘を選んだ男の割合ありきたりな話のように感じるが、それだけで留まらず、まるで糸を手繰り寄せるように新たな視点でのストーリーが展開していく。気が付けば最初はどんな話だったのかも忘れてしまいそうになる。初めて見た時、そのあまりにめまぐるしい展開にまず驚かされたと記憶している。

罪を犯しながらも裕福に幸せに暮らしている人間はいるが、それを端から見て喜ばしく思う者はいない。普通ならば「罰が当たれ!」と心の中で密かに願ってしまうのが人の常というもの。
ドラマの中に登場する人物は必ず何かしらの罪を背負ってしまう。ところがその罪はめぐりめぐって思わぬ形で罪を犯した人間に戻ってくる。絶対に罪の上であぐらをかいてのほほんと幸せを噛み締めている人間がいないのがこのドラマの特徴。心の声が天に届いたように報復、天罰を繰り返す展開は後味はあまり良いとは言えないが、どこかほっと安堵感をもたらしてくれる。

特に印象深いのはやはり最後のオチ。詳細はネタばれになるので割愛するが、おそらくこの罰が一番重かったのではないかと思われる。

満足度は★★★★★
阿刀田 高
講談社
¥ 540
(1982-07-15)
Amazonおすすめ度:

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仮面の花嫁

  • 2009.12.29 Tuesday
  • 00:28
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 愛川欽也、酒井和歌子 他
【放送】 1981年(テレ朝)

土曜ワイド劇場と言えば毎回2時間枠に収まった単発のミステリーサスペンスドラマを放送する番組。『赤い霊柩車』、『明智小五郎』、『三毛猫ホームズ』等々シリーズ化された作品がこれまでに数多く出している。しかしながら短編で終わる作品の中にも人間の情念にぞくっと背筋を凍らせる名作も多々眠っているのも事実。このドラマも人の心に何かを残す名作だと思う。

原作はウィリアム・アイリッシュ著作の『暗闇へのワルツ』。何しろ放送されたのは相当昔なので、原作があった事さえ知らなかった。調べてみてびっくり!

資産家の男を誘惑したのは魅惑的な女。実は女には本命の恋人がいて、二人は結託して男の財産を狙っていた。女は別人になりすましてまんまと男と結婚し、男に砒素を少しずつ飲ませて弱らせていく。これで男が命を落とせば計画通り全ての財産を女が手にするはず。しかし男は女の目的に気付いていた。

最初は女が自分に溺れる男を手玉にとって言いなりにさせていく経緯が楽しめるものの、悪事が万事上手くいくのは稀。実際このドラマの女は最後に大きなしっぺ返しを食らってしまう。何よりも怖いのが男を騙しても平気な女の行動より、男の盲目的な愛情。自分が殺されると判っていながらも女に嫌われたくないがために命さえ投げ出していくその様。女に溺れた愚かな男だと思う無かれ。この男はそうする事で何よりも重い罰を女に与えてしまったのだから。

ラストシーンで酒井和歌子が狂ったように泣き叫ぶ様は今でも記憶に残っている。

満足度は★★★★
ウィリアム・アイリッシュ
早川書房
¥ 987
(1976-10)
Amazonおすすめ度:

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