四谷怪談 〜悲しく燃える女の炎〜

  • 2016.08.29 Monday
  • 09:14

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 伊吹吾郎、八木孝子、黒須薫 他

【放送】 1979年(東京12チャンネル)

 

黒い痣を持つ旗本の娘が毒を盛られた上、夫に斬り殺される。裏切られた女の執念の復讐劇。尚、エンディングで流れる不気味な津軽三味線の旋律は山田五十鈴の演奏。日本名作怪談劇場の第四話として放送された。

 

旗本田宮家の娘・お岩は額に黒い痣を持って生まれた事を気に病んでいた。長年、貧しい生活を送って来た浪人・深沢伊右衛門と結婚する事になり、祝言の後、痣の事を涙ながら謝罪する。最初は痣など気にしないと公言していた伊右衛門も、六か月もするとお岩を敬遠するようになり、酒に酔った勢いで女中のお花に手を出してしまう。ある日、奉公先からお宿下がりしたお岩は風邪をひいて寝込んでしまう。伊右衛門は薬だけ渡して酒を飲みに行ってしまう。薬を飲んだ後、お岩は苦しみ、乱れた髪を櫛で梳いた途端、大量の髪が抜けて血が吹き出す。お岩の様子に驚愕した伊右衛門は使用人とお岩を斬り殺してしまう。実はあの薬はお花から渡された毒薬。お花は愛人の伊藤喜兵衛と組んで、邪魔なお岩を殺害しようと企てたのである。

 

お岩と使用人の死体を括りつけた板が突然空中で回り出したり、またお岩が自分の醜い姿を見て驚愕した途端鏡地獄の中に放り出される等々演出がかなり派手で、あまりの行き過ぎた演出が恐怖に感じず滑稽に思えてしまう。またストーリーがかなりの大味。原作の内容を単純化したのは良いが、登場人物がかなり淡白である。恐怖演出にばかり気を取られて話はおざなりにされてしまった感が強い。

 

ドラマ内では伊右衛門がお岩と結婚するに至った経緯は一切語られていない。何となくお岩が旗本の娘でありながら顔の痣があるせいで縁談を断られ、伊右衛門だけが貧しい生活から脱却するために縁談に飛びついたのではないかと想像はつくので、まあそれは良いとして、そう言った背景があればこそお岩が伊右衛門に執着する粘着体質となり、故に伊右衛門に愛想を尽かされたとそこまで深読みしないと、伊右衛門がただの財産目当ての薄情な人でなしでしかなくなってしまう。台詞だけですらっと説明されているが、結婚してからお岩が奉公に出されたのは生活費のためでなく、離れて暮らして月に二日程度の宿下がりであればお岩を恋しく思えるかも知れないという伊右衛門なりの夫婦仲を再生するために考えた手段であり、伊右衛門としてもお岩を根っから嫌っているわけではなく、出来れば添い遂げたいと思っている事が判る。またお花に手を出したのもほんの出来心で、お岩が奉公に行っている間が長いので性欲を持て余してしまった上での過ちであり、決してお花に乗り換えたわけではないと想像出来る。実際、人間というものは誰かを愛そうと努力して愛せるものではない。そう考えると伊右衛門はごく普通の人間であると言えるだろう。但しここまで深読みしなければ伊右衛門が本当の意味で理解出来ないとなると、テレビドラマとしては問題である。

 

満足度は★★★

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怪談 大奥(秘)不開の間

  • 2016.08.27 Saturday
  • 11:00

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【出演】 岩井友見、藤田まこと、大山勝巳 他

【放送】 1979年(東京12チャンネル)

 

大奥に検分に入った官軍隊長が知った開かずの間に纏わる二百年前の悲劇が今蘇る。日本名作怪談劇場の第三話として放送された。官軍隊長役の藤田まことは特別出演になっている。

 

江戸幕府崩壊後の慶応四年、大奥検分のために大奥に入った官軍隊長は迎えに出た大奥取締役の滝川が止めるのも聞かずに開かずの間へ足を踏み入れてしまう。部屋の奥には美しい女の浮世絵が飾られており、滝川はそれを「お雪様」と呼んだ。すると部屋の中が大きく揺れ、突如現れた面を被った女に官軍隊長は首を絞められる。追い払った時には女はかき消えていた。滝川は徐に二百年前のこの部屋に纏わる話を始める。時は将軍綱吉の時代、大奥にお妙という女が入って来た。正室や側室に挨拶回りをしている最中、突然足袋に血がつく。そこは開かずの間の前。良く見れば扉にかけられた錠前にも血がついていた。

 

尚、側室として右衛門佐が登場しているが、実際には右衛門佐は側室ではなく大奥を取り仕切った大奥総取締役である。また万里小路はこの時代ではなく、もっと後の時代の大奥筆頭の奥女中である。どういう事情でこのドラマのような設定になったのかは不明だが、右衛門佐を側室にしてしまったせいで、大奥総取締役をする人間がいなかったため、慌てて万里小路をあてたのかも知れない。

 

このドラマは二百年前の怪談を語り聞かせるという形式の怪談話で、主演の岩井友見は語り部と怪談話の中に登場する女中役の二役を演じている。その理由は最後で明らかになるが、こういう怪談話では良くあるタイプのオチである。

 

大奥が舞台だけに数多くの女優陣が登場する。その中でも岩井友見のすっきりした顔立ちは一層際立っている。あまり日本髪に馴染まない丸顔なのだが、他の女優陣が純和風な顔立ちばかりなので、特にそう目だってしまうのだろう。このシリーズはどうやらお色気シーンを入れるのも一つの特徴らしい。おそらく岩井友見とは別人の肉体であるとは思うが、両乳房を惜しみなく披露する場面が含まれている。

 

さてストーリーに目を向けると、昔から言い伝えられてきた怪談話と比べるとやや劣る感じがする。勿論、ストーリー的に問題があるわけでもないし、演出に手抜きがあるわけでもない。何となく古き時代の湿っぽい雰囲気が感じられないのである。どちらかと言えば現代的(放送当時としては)な感覚で制作されているため、スマートである分だけ恐怖感が薄れてしまっていた。

 

満足度は★★★

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怪談 累ヶ淵

  • 2016.08.24 Wednesday
  • 10:48

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【出演】 林与一、片桐夕子、吉田義男 他

【放送】 1979年(東京12チャンネル)

 

旗本に強姦され、父親を斬り殺された女が愛したのは憎むべき男の息子だった。原作は初代三遊亭園朝の落語演目『真景累ケ淵』。このドラマは日本名作怪談劇場の第二話として放送された。尚、第一話は1970年に放送された『怪談 雪女』が再放送された。

 

冬の夜、按摩・宗悦は娘の滋賀に手を引いて貰い旗本の深見新左エ門の屋敷へと揉み治療のために馳せ参じた。ところが新左エ門は廊下で待つ滋賀に目を付け、止めに入った宗悦を斬り殺してしまう。宗悦の遺体は使用人・三右衛門に捨てに行かせ、その間に滋賀を慰み者にした新左エ門だったが、突然聞こえてきた宗悦の声に驚愕し刀を振り回している内に自らを刀で刺して命を落とす。その頃、三右エ門は言われた通り、累ヶ淵に宗悦の遺体を捨てていた。五年後、三右エ門の前に新左右門の息子・深見新五郎が現れる。新五郎は商売人となった三右エ門の元に身を寄せる事に。一方、滋賀は富本の師匠・豊滋賀となっていた。ある日、滋賀の弟子・お久が母親に身売りされそうになる騒動で新五郎と知り合った滋賀は親の仇の息子と知らず新五郎と深い仲になる。

 

本来の『真景累ヶ淵』はもっと多くの人物が登場し、深見新左衛門(ドラマでは深見新左エ門)が按摩・宗悦を斬り殺した事から両者の子孫が次々不幸に見舞われるという壮大なストーリーなのだが、このドラマはその中から豊滋賀の悲恋話を取り出して要約した内容となっている。それに伴い登場人物も大幅に減らされ、新左エ門も宗悦も何れも一子しかいない設定となっている。また

 

それにしても昔の怪談は一度深い恨みを買うと、殺されるのが当たり前となっている物が多い。今回はそれが更に子供の代まで渡って不幸に見舞われるのだが、何とも殺伐とした不幸物語である。

 

このドラマの売りは何と言っても主演の片桐夕子の脱ぎっぷりである。上半身全裸での行水場面から始まり、愛しい新五郎の心を引き留めるために着物を惜しげもなく脱いで新五郎の手を乳房に当てる等々お色気のある場面が満載。但し見せるのはあくまで腰から上のみ。また強姦されるまでは生娘であった事を示すために着物から露出する足に血を絡ませる演出を入れたり、放送当時としては結構斬新で悩ましい演出がなされている。

 

満足度は★★★★

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幽霊湖の花嫁

  • 2013.05.03 Friday
  • 13:48
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【出演】 浅芽陽子、田中邦衛、池上季実子 他
【放送】 1979年(テレ朝)

鬼刑事と女子大生の迷探偵コンビが事件を解き明かす幽霊シリーズ第四弾!原作は赤川次郎著の『幽霊候補生』。

警視庁捜査一課の鬼と呼ばれる敏腕刑事・宇野は恋人の夕子から幽霊が出ると噂の磐霊湖を旅行しようと誘われる。最近、夕子は心霊写真に凝っていて、幽霊を写真に撮るのが目的らしい。宇野から散々反対された夕子は勝手に出掛けてしまう。同級生の平松と共に不気味な洋館へ立ち寄った後磐霊湖の付近をドライブしていたが、眩い光に気を取られて車ごと湖へダイブしてしまう。一週間後、宇野は磐霊湖から引き上げられた車に乗車していたのが平松と夕子だと報じられているのを知って愕然とする。遺体は見つからなかったが、二人が心中したと思った宇野は慌てて休暇を取って現地へ飛ぶ。ところが磐霊湖で宇野が見たのは湖を全裸で泳ぐ夕子だった。

舞台が東北方面の小さな村という設定なので、当然ながら地元の人々の話し言葉は東北訛り。こういう場合俄仕込みで方言を習って少々おかしなイントネーションの混じる方言で台詞を話すものだが、旅館の女将だけは非常に自然に話しているのが目を惹いた。

それにしてもこの当時の俳優陣は個性的な面々が多い。主演の二人だけでなく、村人に至るまでそれぞれが独自の個性を発揮しながら演じている。これは登場人物の多いミステリードラマには有用である。

さてドラマは三百年以上続く旧家・内藤家が村の実質的な実権を握り、村人達は駐在に至るまでこの家の人間に頭が上がらないという閉鎖された村を舞台に展開する。閉鎖された村での出来事は一般の常識から少々外れた面がある。外部との接触が無い分だけ独自で築いたルールに縛られているので、ミステリーの舞台としては格好の場となる。幽霊シリーズではすっかりお馴染みとなった設定である。

それに加えて莫大な遺産相続に出生の秘密、そして観光化計画を巡って対立する村人と地主等々かなりきな臭い話がてんこ盛りとなっており、勿論その中に幽霊話も半ば無理矢理に絡められているのはお約束。それなのに何故か怒りの矛先は宇野へ飛んでしまう。気の毒と言えば気の毒だが、そうでなくては事件は始まらない。二時間に収めるのが勿体ないようなドラマだった。

満足度は★★★★★

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渓流釣り殺人事件 殺意の三面峡谷

  • 2013.04.29 Monday
  • 18:43
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【出演】 緒形拳、池上季実子、夏樹陽子 他
【放送】 1979年(テレ朝)

大の釣り好きの推理作家が秘境の大渓谷を舞台に繰り広げるミステリーサスペンス。原作は太田蘭三著の『殺意の三面峡谷』。土曜ワイド劇場『釣部渓三郎』シリーズの記念すべき第一弾!今回の主演は緒形拳であるが、緒形拳が主演を務めるのは二作品のみ。その後、近藤正臣、林隆三がこのシリーズの主演を務めている。

釣りには目の無い推理作家・釣部渓三郎が釣り場を目指して山登りをしていると、元気な女性の単独登山者にあっさり追い越されてしまう。彼女の名は上條あき。体育大学のワンダーフォーゲル部に所属していると言う。後日、下山した釣部は今度は友人の釣り好きの大沢警部と共に多摩川へ釣りに来ていた。その際、近くにいた釣り人が酒を浴びるように飲んだ後、釣部達の止める声も無視して川の中へ入ってしまう。慌てて釣部が川に飛び込むが後の祭り。男は溺死した。ところが現場に駆け付けた男の娘を見て釣部は驚く。彼女は先日出会ったあきだった。

広大な自然を舞台にした作品なので、とにかく撮影の大変さが窺える。足場の悪い岩場を重い荷物を背負って歩いたり、そうかと思えばクライマックスでは切り立った崖の斜面を登る場面などがあり、ストーリー云々よりそんな自然を相手によくぞ撮影し切ったというそちらの方に感心するドラマである。勿論、安全対策はしていると思うが、一歩間違えば大怪我を負う可能性もある。別の意味でスリリングである。

しかしながらBGMに流されているのは宇崎竜童とダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『ブルー・グレー・ロマンス』。これがまた非常にのんびりゆったりとした曲で、あたかも当時の青春ドラマを見ているかのような気分になる。差し迫った状況でもその曲が流れるので、本当にサスペンスドラマを見ているのかどうかさえ判らなくなってくる。おそらく当時の流行としてそういう曲が流されているのだろうが、今となっては不可解極まりない二時間ドラマである。

さてストーリーはと言えば、女子大生のあきに釣部は振り回されっぱなし。父親の仇である菱川の殺害をあきが仄めかしてからというもの、何とか思いとどまらせようと必死に駆けずり回る。しかし菱川は山で遭難。結局の所、釣部の今回の活躍は全て惚れたものの弱みに尽きる辺りが可愛らしくもある。

満足度は★★★★
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善人村の幽霊祭り

  • 2013.04.23 Tuesday
  • 23:59
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【出演】 浅茅陽子、田中邦衛、殿山泰司 他
【放送】 1979年(テレ朝)

鬼刑事と女子大生の迷探偵コンビが事件を解き明かす幽霊シリーズ第三弾!原作は赤川次郎著『善人村の村祭』。

警視庁捜査一課の鬼と呼ばれる敏腕刑事・宇野は恋人の女子大生・永井夕子と二泊三日の温泉旅行へ出掛ける。宇野と夕子は親子ほどに年の離れたカップル。そのため宇野は夕子を公には恋人ではなく姪だと偽っていたが、上司は全てお見通しで結婚しろと勧められる。ついその気になって夕子にプロポーズするタイミングを伺っていた宇野。ところが乗っていた汽車が崖崩れのためにトンネル内で停止してしまう。パニックになる乗客を一喝して何とかその場を収めた宇野だったが、様子を見に隣の車両へ移動する途中、何者かにデッキから突き落とされそうになる。危機一髪車掌に助けられた宇野が席に戻ると、夕子の隣に座っている男に愕然とする。その男は宇野を突き落とした犯人と全く同じ服装をしていた。

村人が全て善人の善人村。客が来れば大歓迎で迎え入れ、至れり尽くせりのサービスを提供する。人口の少ない田舎の小さな村なのに、この村の出身者は偉大な功績を残した者も多く、村の方針で教育には金を惜しまない。輝かしい栄光の中で唯一の汚点が未解決である三億円事件の犯人の一人がこの村の出身である事。そんな天国のような村がある事自体胡散臭いものを感じるが、崖崩れで足止めを食ってしまった宇野と夕子が訪れた村はそんな村だった。

しかしそう甘くはないのがこのドラマ。好奇心が旺盛で思った事をすぐに行動に移してしまう女子大生の夕子とそんな夕子を危なっかしく思いながら見守る宇野刑事の迷コンビが歩く先には必ずと言って良い程事件の匂いがする。善人村と三億円の行方。二人の優雅な温泉旅行は次第にとんでもない危険へと晒される羽目になっていくのはもはやお約束。赤川次郎の作品なのでコメディータッチのオブラートに包みながらも残虐非道な展開へと発展する事が多い。この作品もその中の一つ。緊張感には欠けるものの、よくよく考えてみると結構ハードなストーリーになっている。

さてドラマではとにかく宇野刑事役の田中邦衛が走る走る!山をかけ、岩場をかけ、草むらをかけ、ひたすら走り捲る。このドラマの撮影当時、田中邦衛はそこまで若くはないはず。それでもがむしゃらに走り捲るお尻のぷりっとした姿は格好良く見えてしまうから不思議である。

満足度は★★★★★

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赤いさそりの美女

  • 2011.08.16 Tuesday
  • 23:38
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【出演】 天知茂、宇津宮雅代、速水亮 他
【放送】 1979年(テレ朝)

天知茂扮する明智小五郎が難事件に挑む土曜ワイド劇場の人気シリーズの第九作目。原作は江戸川乱歩著の『幼虫』。

新作映画『燃える女』の主演女優を決めるオーディションで最終審査に残ったのは五人の女性。ところが選ばれたのは主演俳優の同棲相手。納得のいかない準優勝の珠子は家庭教師の殿村京子を連れてロケ現場へ出向く。ところがそこには不審な男の姿があった。京子は読唇術で男が殺人計画を呟いているのを読み取ってしまう。その後、ロケ現場から主演の二人が失踪。不審な男の仕業ではないかと疑問を持った京子達は予告された場所に出向くと、そこでは失踪した二人が裸で縛られナイフで傷つけられている現場を目撃する。ところが警察に連絡すると既にその部屋に二人の姿はなく、血で描かれた赤いサソリの絵が残されていた。

この後、明智小五郎は旧知の仲である浪越警部と共に事件の捜査に加わることになっていく。

但し、このドラマのストーリーは原作のテイストを多少残してはいるものの全くのオリジナルストーリーとなっている。この後、幼虫博士なる人物が登場し、サブタイトルにもある通り幼虫博士と明智の対決の様相を示していく。

このドラマの見所はやはり事件の裏に隠されたとある女性の壮絶な物語だろう。どんな女性でも外見に対する悩みはあるもの。それが他の人から見れば些細な悩みでも、本人にとっては生死を左右するような重大な悩みに発展する場合がある。実際このドラマではそうした女性の悲しみがとんでもない行動を引き起こしてしまうわけだが、その行動の激しさに戦慄を覚える。裏を返せばそれだけ女性の苦しみや悲しみが深かったというわけだが、そこまでせずにはいられなかった彼女の気持ちには同情せずにはいられない。

満足度は★★★★★
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江利教授の怪奇な情熱

  • 2011.05.30 Monday
  • 11:36
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【出演】 中尾彬、萩尾みどり、下元勉 他
【放送】 1979年(フジ)

首だけで蘇生した天才学者を完全に復活させようとした教授の葛藤を描いた奇妙な物語。原作はアンドレ・ベリャーエフ著の『ドウエル教授の首』。

天才と呼ばれた学者である恩師が亡くなった後、彼の遺した論文に記された実験を行った江利教授は恩師の蘇生に成功する。首だけで生き返った恩師は威圧的な態度で教授に指定した首回りのサイズの人間を探し出すように命じる。丁度その頃、頭痛を訴える若い女性が教授の診察を受けに来ていた。さりげなく首回りのサイズを調べると恩師が指定したサイズと同じサイズで、しかも彼女は脳腫瘍だった。

一言で言えば己の欲のために人体実験をする話なのだが、その中には名誉を取るか、命の尊さを取るかという教授の葛藤が描かれている。もしも実験を成功させればそれは世界でも類を見ない画期的な功績であり、一躍教授の名は世界に広まる。しかし果たしてその栄誉のために若い命を奪っても良いものかという葛藤が生じる。この葛藤の末、教授がどんな決断を下すかがこのドラマの最大の見所となっている。

勿論、その裏には恩師の生への執着がある。どんなに素晴らしい頭脳を持っていても老いには勝てない。人には必ず死が訪れる。傲慢な彼は選ばれた人間こそが生き続け、その他の人間が選ばれた人間の犠牲になることを厭わない。実際に首だけの蘇生実験は自分の遺志を継いだ教授が成功させ、彼がどれだけ優れた学者であったかを証明している。それだけに彼の絶大なる自信は揺るがない。

首回りのサイズが一緒であれば首の付け替えが可能という発想は今からすればかなり滑稽に感じてしまうが、その一方で栄誉と命の尊厳を天秤にかけるテーマに見入ってしまう。また口うるさい首だけの恩師に全く頭が上がらない教授の姿もどこか笑えてしまう。

満足度は★★★
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危険な誘拐

  • 2011.05.29 Sunday
  • 00:03
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 鰐淵晴子、藤木悠 他
【放送】 1979年(フジ)

息子を誘拐された夫婦の苦悩を描いた怪奇サスペンス。このドラマは日曜恐怖シリーズ(1979年版)として放送された一話完結ホラードラマの中の一作。但し、ホラーと呼べるかどうかは微妙な内容である。地球外生物が登場するなどSFっぽさもあり、この枠のドラマとしては異質な雰囲気を持っている。

一見何の変哲もない平凡な親子三人には秘密があった。とある理由から決められた時間に薬を服用しなければならないのである。夫妻は一人息子の良夫に必ず薬を服用するようにと言い含めてから学校へ送り出した。ところがその日、良夫を誘拐したと男から連絡が入る。

もしもこのドラマがホラーに分類されるならば、主役の夫妻が決断したラストシーンだろう。しかしそれよりは緊迫した夫妻と犯人のやり取りの方が余程緊迫感があって見応えがある。息子に薬をしきりと飲ませて欲しいとせがむ夫妻。夫妻の要求は無視してとにかく金を欲しがる犯人。犯人は薬が何の薬か知らないし、人質の命などさほど気にしてもいなかった。通常、薬と言えば病気だと先入観を持つ。この犯人達もそうだった。薬を飲まさず放置しておけば、人質は病気が悪化するか死ぬくらいにしか考えていなかった。

途中までは完全な誘拐を扱ったサスペンスドラマ仕立てになっていただけにその流れのままラストのオチを見てしまうと、正直言ってかなり引く。ホラーと言うよりは三流のコントを見せられたような感じだった。

日曜恐怖シリーズは夏場だけの放送で、二年間で二十話近くのドラマが放送されている。その中には勿論秀逸なドラマもあれば、途中で見るのを止めてしまう駄作もある。もっとも好みによる所が大きいので、秀作か駄作かは見る人に完全に委ねられている。個人的な好みで言えばこのドラマは好みではなかっただけで、人によっては面白いと感じるのかも知れない。

満足度は★★★

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夢殺人

  • 2011.05.28 Saturday
  • 14:44
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 宮下順子、横内正、児島美ゆき 他
【放送】 1979年(フジ)

その夢を見たら殺される。復讐心に燃える男の呪いの連鎖。このドラマは日曜恐怖シリーズ(1979年版)として夏場に放送された一話完結のホラードラマの中の一作。シリーズの中でも飛び抜けた存在感を放つ一度見たら二度と忘れない非常に印象的なドラマである。

小さな町の郵便局員である千枝子は窓口から差し出された手に奇妙な刺青があるのを見てぎょっとする。相手は見慣れない男で用が済むとそのまま帰って行った。その夜、千枝子は夢を見る。ピンクのネグリジェ姿のまま不気味な場所を何かに導かれるように歩いている夢。行く手にはぽっかりと大きな穴が空いていて、その中へと引きずり込まれる場面で目を覚ます。恐怖に駆られた千枝子は夢の内容を知人に話すと、今度はその知人が夢の続きを見てしまう。

夢を見ると続きを見てしまう。誰かに話せばその人の夢に伝染する。夢の先には言い知れぬ恐怖が待ち構えている。複合的な恐怖により小さな町の住人は次々夢の恐怖に怯えるようになっていく。ただ最初に夢を見た人の恐怖というのは少々伝わりにくい。何しろ穴に引き摺りこまれそうになったところで目が覚めてしまうので、ドラマを見ているとそこまで怯えるほどのことか首を傾げてしまう。とは言っても千枝子のネグリジェ姿は非常に色気があるので恐怖感よりそちらにまず目を奪われてしまう。

さてドラマは伝染する夢の原因を追究し、関係者全員が団結して夢から解放されるまでを描いている。夢のメカニズムは未だに解明されていない。その反面誰もが夢を身近に感じる存在として認識している。ニュースで聞かされる猟奇的な犯罪よりも何気ない日常から来る恐怖の方が遥かにリアルな恐怖を感じるものである。やがてこの夢はある男の呪いによるものと判明する。しかしその呪いの理由があまりに俗的でそれには少々落胆を隠せない。

実際、ドラマの前半は文句なしに怖い。しかしそれがいつまでも続くわけではなく、原因が判って来る頃からだんだんその怖さも失われ、最後には失笑物の結末が待ち構えている。前半と後半で力の入れようの違いがどうも納得いかなかった。

満足度は★★★★
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