幸福の誤算

  • 2014.01.27 Monday
  • 19:46
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 片平なぎさ、沖直美、永島敏行 他
【放送】 1996年(フジ)

子供の受験をきっかけに専業主婦が転落していく姿を描いた家族の悲劇。原作は佐木隆三著の『華やかな転落』。

河西一家は念願のマイホームを手に入れ新しい生活への期待に胸を膨らませていた。ところが引っ越した矢先、夫の康彦は家に火を点けようとしている子供を見掛ける。子供はすぐに逃げてしまったが、燃やしていたのは答案用紙だった。妻の由希子にその話をすると成績が悪くて親に見せられなかったのだろうと笑い飛ばす。しかし翌日、由希子は長男の渉の学校の保護者会に出席して教育熱心な親達の話に驚かされる。この辺りの公立中学は評判が悪く、クラスの半数以上が私立の学校に通うのだという。社宅で暮らしていた時にはあり得ない状況だった。同様に渉もクラスメートが塾通いし、遊び相手が誰もいない現状に寂しさを覚えていた。渉が塾に通いたいと言い出したのをきっかけに由希子は地元の学習塾『TOPスクール』へ渉を入塾させる事に決める。ところが学習塾の費用は思った以上に高く、明らかに家計を圧迫する金額だった。家計簿を前に頭を抱える由希子はふとキャッシングローン『MAX』のチラシを手にする。

子供の受験にのめり込む母親の姿を描いたドラマはこれまでにも多々あったが、このドラマの場合悲劇ではあるもののそこまで酷い状況には陥っていない。確かにカードローン地獄に陥って首が回らなくなったり、親の商売が上手く行かなくなって貸した金が返せないと言われたり、離婚した友人から売春を進められたり、借金の対価に体を要求されたりと次から次へと不幸が由希子の身に降りかかり、挙句河西一家が崩壊するにはするのだが、悪い状況の中でも比較的幸せな展開を見せる。もしこれが他の局の二時間ドラマであれば、もっと悲惨な話になっていてもおかしくない。

さて母親の狂気を最大限に見せるのは受験日の朝。熱を出して倒れる渉を由希子は抱き抱えてでも試験会場に連れて行こうとする。そんな事をしてもそもそも起きてもいられない状態なのだから試験に受かるはずもないのだが、そんなまともな思考はこの時の由希子には考えられない。見兼ねた康彦が渉を連れ出す場面では由希子が車と並走して渉を取り返そうとする。但しこの場面はどうもいただけない。裸足の由希子が台詞を言い終わるまで普通に車と並走するのはどう考えても変!鬼気迫る場面なのに思わず吹き出してしまった。

最後はこの手のドラマにはお約束の寂しいラスト。まあ命を絶つような場面が無かっただけでも良しとするべきだろう。

満足度は★★★

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女怪

  • 2013.07.16 Tuesday
  • 00:07
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 片岡鶴太郎、小手川祐子、立河宣子 他
【放送】 1996年(フジ)

BARの常連客が殺害されホステスが逮捕された事件に名探偵金田一耕助が挑む本格ミステリー。フジテレビで放送された片岡鶴太郎主演の横溝正史シリーズ第七弾。原作は横溝正史著の『女怪(にょかい)』、『霧の中の女』。ドラマはフランキー堺が演じる探偵小説家の目線で描かれ、ナレーションも担当している。

戦争の傷跡が残る時代、暗い世相を反映するように猟奇殺人事件が相次いでいた。ある夜、探偵小説家の硯川酒肴は銀座界隈を練り歩いていると、BAR『虹子の店』のホステス・村上ユキが常連客である長谷川善三殺害の容疑で逮捕される場面に出くわしてしまう。BAR『虹子の店』ではママの持田虹子が警察から戻った所で、事件のあらましを常連客相手に話していた。硯川はその中の一人が有名な探偵・金田一耕助だと気付く。興味津々で様子を窺っていると、どうやら金田一は虹子ママに惚れている様子。虹子ママも満更ではなく、「ユキを救って欲しい」と金田一に頼み込んでいる。それはそうと事件は奇怪な殺人事件だった。現場からは宝飾品と共に被害者の服一式が無くなっているというのだから。硯川はこの事件を小説に書こうと思い立つ。

当時の世相をモノクロの映像とナレーションで綴るオープニングはまるで無声映画を観ているような味わい深さがあり、その時代へと一気に引き込まれる。実際、その後に続く本編は多少小奇麗な感じはあるものの、時代的な背景が結びつくので本編に入り易さは感じる。また硯川が語り部となっているのも魅力的な構成である。客観的に見られる金田一の活躍は新鮮で、主に金田一の人間性に目を向けて語られる内容は面白い。またこのドラマ自体、金田一の恋愛を扱った非常に稀有なストーリーだけにそうした構成が生きている。

肝心な事件の方はと言えば、さほど目を惹くような事件ではなく、他の作品に比べて地味である。その分を金田一の人間性に求めたのであれば差引ゼロと言えるのかも知れない。

さてこのドラマは全く異なる原作を一つのドラマに仕立てて制作されている。持田虹子はドラマのタイトルとなった『女怪』のヒロイン。一方、逮捕された村上ユキは『霧の中の女』のヒロイン。どちらも短編であるためこの二人のヒロインを同じ店で働いているママとホステスという間柄にして、本来は交わる事のない事件を絡ませている。但し『霧の中の女』はかなり後の時代を背景にした作品のため、大筋となっている『女怪』の方に設定を合わせている。

それはそうと今回から登場するきっちり真ん中分けの等々力警部が絵的にかなり笑える。

満足度は★★★★

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わが町7

  • 2012.12.05 Wednesday
  • 21:51
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【出演】 渡辺謙、川野太郎、平田満 他
【放送】 1996年(日テレ)

雑居ビルで起きた爆破事件を追う東京下町の刑事達の活躍を描いた刑事ドラマ『わが町』のシリーズ第七弾。原作はエディ・マクベイン著の『クレアが死んでいる』(87分署シリーズ)。オープニングでは下町は都会化する一方で人間としての大切な物が失われていく事を嘆くナレーションが入っている。

最近、西月島署管内では外国人の急増により、外国人による犯罪が増えている。その日も縄張り争いで喧嘩をしていた外国人を逮捕したものの、言葉が通じず困惑していた。しかしそれが彼らの常套手段。言葉の壁を利用して釈放して貰う時を狙っているらしい。その時、雑居ビルで爆破事件が発生する。現場に駆け付けた刑事達はバラバラになった遺体の残骸を目の当たりにして愕然とする。捜査の結果、強力な爆弾がファッションヘルス『シルクロード』に仕掛けられ、6名の被害者が出たと判明。被害者は何れも店の従業員と客だったが、1名だけ身元の判らない女の遺体があった。遺留品を見た栗山刑事は驚愕する。それらは爆破のあった直後から連絡のとれなくなっていた恋人の久美の物だった。

下町の警察署の話なので人情話に偏りがちのこのドラマだが、今回はそれが仇となってしまう。恋人が爆破事件に巻き込まれたと知った栗山刑事は本来なら当然このヤマからは外れるのが常識である。ところが西月島署の捜査一課の刑事達は、恋人を失った悲しみにくれる栗山の心情を察して犯人を追わせてしまう。勿論、そんな刑事の常識を逸した判断を見過ごすわけにはいかない。向井刑事がそんな判断を下した上司に文句を言うが、下町人情にどっぷり浸かった西月島署の刑事達からは向井刑事には人としての情がないのか!と非難されてしまう。案の定、栗山は冷静さを失い、とんでもない暴走をしてしまうのだが・・・。

正直言って、この署の刑事達の人情的な部分を押し出したい気持ちは判るものの、なあなあ感漂う署内の空気には嫌悪感を持った。こんな雰囲気で刑事をして良いものなのか疑問を持つ。それに対してドラマでは向井刑事はどちらかと言えば悪役に近い扱いではあるものの、冷静沈着で情に流されず職務に忠実な向井刑事が最高に格好良かった。

満足度は★★★★
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救急指定病院6

  • 2012.11.26 Monday
  • 00:12
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【出演】 池上季実子、中村繁之、大宝智子 他
【放送】 1996年(日テレ)

救急病院に勤めるベテラン看護師(この時代はまだ看護婦)の活躍を描いた人気シリーズ『救急指定病院』の第六弾。当初は斉藤澪の小説を原作としてドラマ化されていたが、三話からはその設定だけを活かしたオリジナル作品となっている。今回は友達をテーマにしている。様々な友情の形。本当の友達とはどういうものなのかを考えさせられる内容になっている。

菊名総合病院に運ばれてきた患者を迎え入れた看護師の小諸久美子は驚く。何と運ばれてきたのは久美子の息子の大吾だった。診断は急性虫垂炎。腹膜炎を起こしかけていたため、即座に手術する事に。その頃、若い看護師の副島は救急隊員の友永と交際していたが、偶然久美子は二人が喧嘩している場面を目撃する。その夜、友永が自転車で事故に遭い意識不明の重体になる。ところが自転車に不審な点があり、警察が副島を調べ始める。

看護師と言えど人間なので当然恋愛もする。それが若い看護師となれば職務を忘れて浮かれてしまうのも無理はない。しかし親友同士だった二人が同じ男性を取り合えば当然ながら嫉妬が生まれる。恋に破れた室井は副島にあからさまな嫉妬心を剥ける。そしてとうとう喧嘩勃発。こじれる一方の二人の久美子が主任としてどう取り成していくかが見どころとなっている。

相変わらず事件の匂いがすれば活動し出すジャーナリストの久美子の姉。いつものように後輩で刑事の津山からあれこれ情報を聞き出して、友永の事件が殺人未遂事件ではないかと調べ出す。しかしこの姉は独断で突き進んで騒動を大きくするトラブルメーカーでもある。一歩間違うと大変な事態になりかねない。姉の行動にはいつもはらはらさせられっ放しの久美子だが、最終的に美味しい所を全て持って行くのも久美子なのである。

さて毎度の事ながらサスペンス要素は薄い。友永の事件に関してもどういう事なのかは予めバレバレでわざわざジャーナリストの姉が調べるまでもない。とは言っても何となく見てしまう魅力のあるドラマである。

満足度は★★★★
高橋真梨子,十川知司,大森俊之,カラオケ
ビクターエンタテインメント

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救急指定病院5

  • 2012.11.18 Sunday
  • 13:42
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 池上季実子、渡部篤郎、馬渕晴子 他
【放送】 1996年(日テレ)

救急病院に勤めるベテラン看護師(この時代はまだ看護婦)の活躍を描いた人気シリーズ『救急指定病院』シリーズ第五弾。当初は斉藤澪著の病院を舞台にした作品を原作としていたが、三作目からは原作の登場人物や設定を活かしたオリジナルストーリーとなっている。今回は母親と子供の関係を中心に扱っていく。

菊名記念病院に勤務するベテラン看護師・小諸久美子が当直の日、手首を切って自殺を図った女性の搬送を待っていると、きな臭い匂いが立ち込めているのに気付く。辺りを見回すと病院の敷地内から煙ががっていた。病院では最近ボヤ騒ぎが相次いでいる。翌日、当直明けの久美子のアパートに実家から母親が出て来ていた。どうやら未婚の姉に見合いさせて、久美子と息子の大吾を実家に連れ戻す算段らしい。おまけに病院に久美子が再婚して退職すると病院に連絡まで入れて久美子はほとほと困り果てていた。婦長とそんな話をしている中、またもやボヤ騒ぎが起こる。

母と子の関係は色々難しい物がある。久美子の姉は母親に反発して未だに顔を見て話をしようともしない。そこには昔起きたある事件が起因している。その時、母親は娘達を利用した。当時中学生だった姉は言いくるめられて母親の味方になったが、改めて考えると母親の嘘と狡猾さが許せなくなり、以来ずっと確執が生じている。姉の結婚が遅れているのも、もしかするとそんな母親との関係が原因なのかも知れない。子供は親の行動を逐一見ている。親の不用意な態度が子供の心を頑なにさせてしまう事もある。ドラマではもう一点、病院の患者の一人がやはり親の過保護に悩む存在として登場する。家族は切っても切れない間柄だけに一度拗れるとなかなか修復が難しいものである。母親とは子供にどういう態度を示すべきかにも言及している。

さてボヤ騒ぎの件では警察は病院ではなく、個人への恨みによる犯行とみる。そのため久美子に恨みを抱きそうな人間への捜査が始まるが、当時はまだ『ストーカー』という言葉は知られていなかったらしい。今と発音が違う『ストーカー』の説明がなされたが、完全につけ回し行為そのものを差している。ストーカー規制法が政令されたのはこのドラマの放送から四年後。今ではストーカーの行為は凶悪性を増し、法令では制御できないほどにエスカレートしている。時代は変わり、当初のストーカーは現代のストーカーには当てはまらない段階に来ているのだろう。それはさておき、未だにストーカー被害が話題となるだけに、このドラマは当時の世情を敏感に取り入れていると言えるだろう。

満足度は★★★★
高橋 真梨子
ビクターエンタテインメント株式会社

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テロリストのパラソル

  • 2012.08.29 Wednesday
  • 17:40
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【出演】 萩原健一、根津甚八、木村佳乃 他
【放送】 1996年(フジ)

二十年間逃亡生活を送って来た男が無差別テロの爆破事件に遭遇。男は真犯人究明に立ち上がる。新宿のダークサイドを描いたミステリーサスペンス。原作は藤原伊織著の『テロリストのパラソル』。この小説は第41回江戸川乱歩賞、および第104回直木賞をW受賞している。

新宿西口公園の横断歩道で松下優子は菊池の姿を見かけて車を慌てて降りる。後を追いかけると、そこは場末のBAR『吾兵衛』だった。菊池とはもう二十年も会っていない。北海道のトマムに戻った彼女は桑野にその事を告げる。ところが桑野は菊池の消息を八年前から知っていて、知らせなかったのである。彼女は桑野に別れを告げ、土曜日に新宿西口公園でウィスキーを飲んでぼんやりと半日過ごすという情報を頼りに菊池に会いに行く。そこで爆破事件が起きた。

やがて菊池は二十年前に起きた爆破事件に関わっていたとい理由から今回の爆破事件の犯人として疑われる羽目に。奇しくも今回の爆破事件の被害者には大学紛争の際に共に闘った優子、桑野の名前もあり、菊池は二十年前の事件と関連性を疑う。

原作ではホームレス暮らしの菊池の表現が結構生々しく&泥臭く描かれていて、不快感を示すくらいなのだが、ドラマではそれらの表現は人づてに説明されるか、そのまま画面で見せるのだが、原作の生々しさから比べると不十分。秀逸な表現も原作の魅力である事を考えると、原作の良さが実写化するにあたり随分抑えられた印象を受ける。

ドラマは淡々と進んで行く。特に山場があるわけでもなく、たまに交わされるシャレの利いた台詞も不発のままに終わってしまう。ここぞという所でドラマを引き締める何かが欲しかった。

満足度は★★★
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COACH

  • 2012.04.16 Monday
  • 14:25
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【出演】 浅野温子、玉置浩二、高島礼子 他
【放送】 1996年(フジ)

野心家のキャリアウーマンが左遷されたのは潰れかけたサバの缶詰工場。田舎の生活に戸惑いながらも工場再建に奔走する彼女の再生の物語。トレンディドラマ女優として知名度をあげた浅野温子が久々の連ドラ主演。またドラマ内で登場したサバカレー(缶詰)が実際に発売されたことでも話題を呼んだ。

一流商社に勤務する渚はやり手のキャリアウーマン。会社では社員達から一目置かれる存在で、同僚の恋人との仲も順調だった。しかし政治家が呼ばれる会合で渚は大失態を犯す。会社は渚に千葉にあるサバの缶詰工場の立て直しを命じる。その通達を受けた渚は愕然とする。実は渚はサバが大嫌い。おまけに工場で働く人々は経営の危機にあるとは夢にも思わず、呑気に野球をする始末。それでも渚は本社復帰を目指して工場の立て直し策を打ち出すが、工場の人々から大反発を受けてしまう。

分刻みのスケジュールが当たり前の生活を送ってきた渚にとってのんびりとした時の流れに身を任せる田舎の生活はまるで異国の地。地元の人々のルーズさが何かにつけ鼻につき、イライラが募っていく。しかし田舎の生活には田舎の良さがあり、都会の慌ただしさの中で忘れてしまった人間らしさを持ち続けている。生き急ぐ都会人へ時には足を止めて見つめ直す事も必要だとドラマでは訴えている。出世だけが人生ではないのだから。

実に久々の浅野温子の登場だったが、蓋を開けてみると彼女の体型が衝撃的だった。勿論全盛期から時間が経っているため当時のままの若さを保てないのは当然なのだが、あまりの細さに愕然となる。特に白いワンピースを着る際には全く肉付きのない骨と皮の腕が露出し、見ているだけで痛々しく感じられるほどである。一方、ドラマ内で僅かな出番ながらも抜群の存在感を見せたのが渚のポストを狙う狡猾な後輩OL役の高島礼子。旬の過ぎた女優とこれから旬を迎える女優。その対比がはっきりと画面に現れていた。

ストーリーにはどこかユーモアを持たせながら常に都会と田舎のギャップを織り込んでいる。それはそれで楽しいドラマであるのだが、潰れかけた工場の再建と野球部のどちらをメインに持ってきたいのかが微妙である。渚の恋の行方もラストでは曖昧にやり過ごされていてあまりすっきりした終わり方ではなかった。

満足度は★★★★★
玉置浩二,須藤晃,星勝,藤井丈司
ソニーレコード
(1998-12-02)

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若葉のころ

  • 2011.11.25 Friday
  • 22:27
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 堂本剛、堂本光一、奥菜恵 他
【放送】 1996年(TBS)

生まれ育った環境が全く異なる二人の少年の友情を描いた青春群像劇。当時まだ歌手デビューは果たしていないKinki KidsのW主演で、エンディング曲もKinki Kidsが担当している。

母は他界、父親は日々飲んだくれて生活力はない。長男の武司はそんな貧しい暮らしにも負けず、アルバイトで生計を立て弟や妹を養っていた。唯一の救いは幼馴染の泉。彼女は何かと武司達を気に懸けてくれる面倒見の良い少女で心惹かれていた。成績優秀で奨学生として高校へ進学した武司は入学式の日に甲斐に出会う。裕福な家庭に生まれた甲斐に反発しながらも、次第に二人は打ち解け友達となっていく。

爽やかな青春物の装いとは裏腹に設定はとにかくドロドロで、主役の二人がピュアな心を持つ者同士だけにその落差に傷つく様が痛々しい。出生の秘密に父親の愛人問題、父子の関係に略奪愛等々、彼らを取り巻く問題は複雑で人間の汚さを露骨に示すような問題ばかり。身勝手な大人達の作り上げた世界の中で純粋な少年の心はどう対処し、変わっていくのかが見どころである。

最後の最後までこのドラマはとにかく二人に過酷な運命を与えていく。それでも第三者が卑劣な行いをしているならまだ許せるのだが、このドラマの中で最も衝撃的なのはそんな純真な少年達の友情を引き裂いたのが少年自身の裏切りであったこと。そのことがきっかけとなり二人の立場や性格は大きく変わっていく。それが大人へのステップだとするならば、二人の運命は何と切なく悲しい運命なのだろう。

ドラマは二人が友情を取り戻す未来までを描いている。しかしその取り戻し方も悲惨の一言。最終的に泉を含めた三人は心だけは救われたかも知れない。但し手離しで喜べない状況であるのも事実。ハッピーエンドのラストを見たはずなのに何か胸に重苦しいものが残るドラマだった。

満足度は★★★★★
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キャンパスノート

  • 2011.10.18 Tuesday
  • 11:03
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 内田有紀、荻原聖人、遠山景織子 他
【放送】 1996年(TBS)

女子高出身の少女が大学で過ごした四年間の軌跡を描いた青春ラブストーリー。高校までと違って様々な人が入り混じる大学。同じ学生でありながら価値観も人生もまるで異なる人々と触れ合いながら、主人公が成長していく姿を追っていく。ラストでは大学卒業後のエピソードが語られている。

鶴岡はるかは大学教授のお堅い父親に育てられ、高校まで女子高で過ごしてきた。共学の青南大学に入学したはるかは真っ赤なワンピースに身を包み憧れのキャンパスライフに胸をときめかせて入学式に参加していた。しかしはるかが入学したのは物理学科。周囲を見回しても心をときめかせるようなクラスメートは見当たらない。おまけに女子ははるかの他に抄子だけという有様に落胆する。

女子高というのは一種独特な閉鎖社会。特にはるかのように女子高歴が長く、厳格な父親に箱入り娘同様に育てられていれば、尚更外の社会への憧れが強くなる。はるかの場合所謂大学デビューがその第一歩だった。しかし外の世界は未知の生物である異性のいる世界。男と言えば父親しか知らなかったはるかにとっては会う人会う人が想定外の生き物で、何が起こるか想像もつかない。大学に入学したての頃のはるかは無垢な赤ん坊のよう。背伸びをしたくてもおっかなびっくりでうまく立ち振る舞えない。

そんなはるかと大学入学初日から関わり合いになるのが大一。彼は大学の学生ではないが、わけあって大学に出入りをして金稼ぎに奔走する。実はそうせざるを得ない事情があるのだが、そんな事情をはるかが知るはずもない。大一ははるかにとって完全に理解の範疇を超えた生物なのである。しかし大一の存在はやがてはるかに大きな影響を与えていく。

はるかが歩んだ大学の四年間は平凡でも非凡でもない。様々な経験は大学生なら普通に迎える経験ではありながら、それをどう考えどう行動するかではるか独自のキャンパスライフが形成される。大一の存在以外さほど珍しい内容はないものの、ごく平凡であることが美徳ということもある。

当時の世情を反映してゲーム業界に入れば大儲け出来るといった安易な発想が気にはなったものの、1人の少女の青春の1ページという流れが綺麗にまとめられたドラマである。

満足度は★★★★
西荻 弓絵,浅野 美和子
ワニブックス
(1996-03)

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変[HEN] ちずるちゃんとあずみちゃん

  • 2011.06.14 Tuesday
  • 10:13
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【出演】 城麻美、木内美穂、窪塚洋介 他
【放送】 1996年(TBS)

男を手玉に取るスーパー女子高生の弱点はクラスメートの女の子。普通とはちょっと違う女の子同士の切ない恋愛を描いたちょっとエッチなラブコメディー。鈴木くんと佐藤くん編の別バージョンとして作成され、主役の城麻美、鈴木くん佐藤くん編で鈴木を演じた青木伸輔は両編を通じて出演している。ちずるちゃんとあずみちゃん編では主演の二人が大胆なヌードを披露。全体にサービスカット満載のドラマとなっている。原作は奥浩哉短編集『赤』に収録された『好』。

あずみは原作イメージと大分違うが、ちずるの方は原作イメージにかなり近い。元々原作がかなりエッチな内容の漫画なのでちずるが堂々たる脱ぎっぷりを晒すのには抵抗がないが、あずみが脱いでしまうのは本末転倒。両方脱がせて視聴率アップを狙った制作意図が見え見えな部分に引いてしまう。

容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能。全てにおいて秀でた女子高生吉田ちずるに担任の唐沢は目を離すことが出来ない。そんな唐沢の心を見透かすようにちずるは唐沢のアパートに押しかけ、誘惑する。しかし本音はからかっただけ。全てにおいて思い通りになってしまうちずるは現状に退屈していた。ある日、恋人のアパートであずみに出会う。鈍臭いあずみに苛々するちずるだったが、何故かあずみの前に出るだけで胸がきゅんとなってしまうことに戸惑うようになる。

ちずるは間違ってもレズではない。男好きでエッチも大好き。ちゃんと男の恋人(セフレ?)もいる。でもちずるが恋をしたのは何故か同じクラスのあずみ。最初は自分の気持ちが信じられなかったちずるも、次第に自分の気持ちに気付いてあずみに果敢にアタックしていくというストーリー。恋をするのに性別は関係ない。誰かを好きになるのに理由はない。相手が同性でも一度好きになったら気持ちは止められない。そんなちずるのあずみを想う気持ちがストレートに出ている楽しいドラマである。

但し、放送回数が少ないため話が途中からオリジナルになってしまっているのが残念である。

満足度は★★★★
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