馬子先輩の言う通り

  • 2015.12.29 Tuesday
  • 10:14
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 大野いと、松島庄汰、小松彩夏 他
【放送】 2015年(フジ)

馬にしか興味のないOLに新入社員が恋をした。実際の競馬のレース結果によってストーリーが変わる分岐型ラブストーリー。放送されなかったストーリーは番組公式ホームページで公開された。

休日の誰もいないオフィスで仕事をしていた馬子は午後三時半になったのを見計らって徐に荷物をまとめて席を立った。実は馬子は大の馬好き。競馬中継を見るためにテレビのある会議室に移動するつもりだったのだが、タイミングの悪い事に新入社員の岡部豊が休日出勤してきてしまう。早く競馬中継を見たい馬子は豊を無視して会議室を独占し、ヘッドホンで音声を聞いて一人中継に興奮していた。ところがその姿を本を借りる許可を貰いに来た豊に見られてしまう。応援している競走馬が一着になったのを涙を流して喜ぶ馬子の姿に豊は一目惚れ。

このドラマに登場する馬子を始めとする競馬ファンはただのファンではない。もはやヲタクを飛び越えて、競馬の生き字引とも言うべき熱い競馬ファンが集まっている。勿論、馬子はそのトップクラス。となれば競馬にまるで興味のない豊が馬子を振り向かせるのは並大抵の事では無い。『将を射んとする者はまず馬を射よ』という諺があるように、まず競馬の勉強からしなければいけないという涙ぐましい豊の努力の日々を綴ったストーリーになっている。

ただあまりに話が偏り過ぎている嫌いはある。馬子だけでなく、同僚のOLにまで競馬知識を競うライバルがいて、重箱の隅をつつくようなせめぎあいが行われる。まあ、競馬とオフィスラブをテーマにしたラブコメだと割り切ってしまえば見られなくも無いが、かなり痛々しいタイプのドラマである。

そうは言っても分岐型の試みは面白い。肝心のレースを見ていないと興味半減とはなるが、一応どちらに転がろうともその続きを制作しているのは立派。しかも放送されなかった方はお蔵入りになるのではなく、動画配信で公開されるという抜け目の無さ。実験的な試みは称賛する。

満足度は★★★

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おかしの家

  • 2015.12.28 Monday
  • 01:17
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 オダギリジョー、尾野真千子、勝地涼 他
【放送】 2015年(TBS)

忙しく流れる時代の中でひっそりと昔のままの姿を残す下町の駄菓子屋を舞台に、少年の心を持ち続ける33歳の男と人々との触れ合いを描いた心温まる人情ドラマ。原作協力は山田タロウ著の『うちのネコが訴えられました!?−実録ネコ裁判−』。

『さくらや』は昔ながらの風情を残した駄菓子屋。しかし時代の流れとともに忘れ去られようとしている。子供たちには駄菓子屋よりコンビニの方が身近になってしまった。ある日、さくらやにふらりと木村礼子が訪れる。彼女は最近この町に帰ってきたばかり。店主の桜井明子との再会に心を躍らせる礼子だったが、かつて同級生だった明子の孫・太郎に挨拶しようとして唖然とする。駄菓子を口に仲間とつるむ太郎はむさくるしいナリはしているが中身は子供の頃のまま。「エンガチョ」と囃し立てるノリについていけず帰ってしまう。翌日改めてさくらやへやってきた礼子は太郎と駄菓子を食べながら自分のことを話す。礼子は五歳の息子のいるシングルマザー。仕事と子育てで慌ただしい毎日を送る礼子に太郎は自分が五歳の時に好きだった駄菓子を見繕って礼子に持たせる。

大人になっても子供の心を持っていると言うのは辛い現実から逃避している事でもあり、同時にいつまでも時がこのまま止まっていて欲しいと言う意思表示でもある。太郎達はその典型だが、彼らのいる空間は見ていると懐かしくほっとする空間である。あの場所には日々の生活に追われ、忘れてしまったものが備わっているように思う。

下町の人情話かと思いきや、前半は毎回豪華なゲストを迎えてゲストとの優しい触れ合いを描いたストーリーで、後半は太郎とつるんでいた仲間達が次第に今の状況に危機感を覚え、現実に向かい合っていくストーリーであり、天使に噛まれた回を除いて比較的シリアスな内容で進んでいく。

全編を通じてゆる〜い日常を淡々と描いているだけで特別大きなクライマックスがあるわけでもない。実際、人は毎日ドラマティックに生きているわけではないので、そんなものなのかも知れない。そのせいだろうか。特に何もしなくても太郎達には人間臭さがある。それがこのドラマの一番の魅力である。

満足度は★★★★

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いつかティファニーで朝食を Season1

  • 2015.12.25 Friday
  • 06:13
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【出演】 トリンドル玲奈、森カンナ、新木優子 他
【放送】 2015年(日テレ)

高校の同級生の4人がおいしい朝ごはんを食べながら様々な悩みや問題と向き合っていく成長物語。原作はマキヒロチのコミック『いつかティファニーで朝食を』。

佐藤麻里子は好きな人と幸せいっぱいの朝ごはんを食べるのが夢で恋人の吉田創太郎と同棲を初めたものの、7年が経った今、二人はすっかりすれ違ってしまった。創太郎との同棲生活に嫌気の差した麻里子は高校時代の同級生、新井里沙、那須栞、阿久津典子に集合を掛ける。しかし28歳ともなればそれぞれ生活スタイルにズレがあり、夜の集合に難色を示す答えが返ってくる。そこで麻里子は180℃発想の転換を行い、集合を朝にしてはどうかと思い立つ。朝食メニューの充実している洒落たCafeで集まった四人は早速麻里子の抱えている問題を話し合う。

高校時代の友達同士も気が付けばアラサー女子に。その年齢になれば色々な問題も起きてくる。立場も考え方も生き方も違うけど、高校時代からの友情は未だ健在。時に喧嘩もするけど、一緒にいると何となく落ち着く。そんな良い関係を築いているからこそ自分の問題を打ち明けてみんなで親身になって考える事が出来る。それぞれの抱えた異なる問題を朝食を食べながら解決していくというストーリー。

Season1では麻里子が同棲相手との長い春を終了させ、仕事に生きると同時に気になる存在の男の子が現れるところまでで終了する。勿論麻里子だけでなく、里沙は同級生と再会して恋人に裏切られた過去を克服したり、日々の生活に余裕が無くなっていた主婦の栞は夫の手助けで少しだけ心に余裕を持つようになったり、典子も不倫愛を清算しようと気持ちを改める。みんなにそれぞれ小さなドラマがあり、みんなそこから少しずつ一歩を踏み出していく。アラサーの女性が抱えやすい問題を取り上げ、それを登場人物四人にあてはめた内容で、同じ年頃の人が見ると共感する事も多いだろう。日常の何気ないエピソードをまとめたような構成になっている。

但し朝食がテーマになっているだけあって、朝食とは思えないほど豪華な朝食が登場する。朝食を抜く人が多い世の中、朝食の大切さをアピールするにはもってこいのドラマである。

満足度は★★★★

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下町ロケット

  • 2015.12.24 Thursday
  • 00:34
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 阿部寛、吉川晃司、小泉孝太郎 他
【放送】 2015年(TBS)

下町の小さな製作所がロケットを飛ばす。壮大な夢に向かって突き進む技術者達の姿を描いた熱いヒューマンドラマ。原作は池井戸潤著の『下町ロケット』、『下町ロケット2』。同作者原作による『半沢直樹』同様、出演陣は豪華な顔ぶれとなっている。

種子島から発射されるロケットを沢山のスタッフが見守る中、ロケットに異常が発生する。責任者はロケット打ち上げ失敗を決意し、その責任をロケットエンジンを開発した佃航平一人に押し付ける。七年後、航平は父親の遺した佃製作所の社長に就任し、宇宙開発機構時代に培った技術ノウハウを活かして売り上げを倍増していた。しかし銀行は佃製作所の技術を死蔵技術と決めつけ、融資打ち切りを言い渡す。そんなある日、ナカシマ工業から特許侵害で訴えられ、90億円の賠償金を請求される。話を聞きつけた取引先は次々取引を停止し、経理の殿村の話ではこのままでは半年後には倒産する計算になると言う。何の解決策もないままに第一回公判が始まり、顧問弁護士はまるで役に立たない。殿村は弁護士に解雇を言い渡し、白水銀行の定期預金を崩す事を提案。それにしたって倒産が半年先に延びるだけ。航平はプライドを捨てて別れた妻に弁護士の紹介を頼む。そんな中、日本初の日本産ロケットに社運を賭けた帝国重工ではロケットのバルブエンジンに難航していた。

中小企業と侮るなかれ。佃製作所が持つ技術力は世界最高峰。日本には世界に誇れる特許を持つ小さな町工場や中小企業が実際にある。その功績はあまり知られる事はないが、大きなプロジェクトの一端を担っている事も多々ある。そんな中小企業に目を向け、そこで働く技術者の拘りを熱く熱く描いていく。

ストーリーは前半と後半に分かれていて、前半はロケットのバルブシステム、後半は心臓の人工弁「ガウディ」の開発についての内容になっていて、何れも中小企業だけに大企業からは足元を見られてしまう佃製作所だが、航平率いる佃製作所の技術者達が世界最高峰の誇りと熱い信念の下、襲い来る困難を一致団結して乗り越えていくというもの。勧善懲悪の構成は非常に判り易いばかりか、また開発に関わる人々の熱さが躍進していく様は見ている側にも達成感や爽やかさを与えてくれる共感しやすいストーリーとなっているのが魅力である。

航平は決して最初から良き社長であったわけではない。むしろ序盤は社長として足りない部分が多く、社員の中にはそんな社長の意図が理解できず反旗を翻す者達も多かった。それを補ったのもやはり社員達。いわば佃社長を作り上げたのは佃製作所の社員達と言っても過言ではない。仕事よりプライベートを優先させる傾向のある中、目標に向かって仕事にのめりこむ技術者達の姿は時代錯誤なのかも知れないが、そういう開発姿勢が世界に誇れる技術を生み出す糧となっているのも事実である。その点は航平の娘の姿に反映されている。父親が家庭を顧みない事を寂しく思って反発をするものの、一旦父親の仕事を理解すると父親の背中を見て尊敬し、自らもその道を目指すようになる。正に仕事優先の父親にとってこうであって欲しい家族の姿の理想形。少し狡いと感じてしまう面も無きにしも非ず。

ところで原作2作を同時にドラマ化しただけにドラマの中での年月はかなり経っている設定になっている。実際、当初は高校生だった航平の娘がラストでは社会人となり自らもロケット開発に携わっている。しかし出演陣はそこまで明白な時の流れを感じさせない。おそらく髪型を変える等ある程度の時の流れは表現しているはずなのだが、殆ど変わり映えしないというのが率直な感想である。もっともドラマが熱さに浮かされて、そこまで気を付けてみている余裕がないのも事実だが・・・。

満足度は★★★★★

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黒蜥蜴

  • 2015.12.23 Wednesday
  • 01:24
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【出演】 真矢みき、渡部篤郎、剛力彩芽 他
【放送】 2015年(フジ)

この世の美しき物を盗み出す女怪盗と明智小五郎の世紀の対決。江戸川乱歩の名作を現代を舞台にリメイクした2015年版『黒蜥蜴』。オープニングでは主演の真矢みきが夫と共演し、ダンスのショーを見せている。このドラマは江戸川乱歩生誕120周年没後50年記念ドラマスペシャルとして放送された。

警視庁副総監に就任した明智小五郎は就任を機にとある事件の解決を警視総監から打診される。それは先日海で遺体となって発見された松村リオナの殺害事件だった。事件現場に駆け付けた浪越刑事は首筋の黒蜥蜴の刻印を見て厄介な事件だと判断している。昨今世間を賑わせている黒蜥蜴はこの世のありとあらゆる”美しいもの”を盗む怪盗。しかしその正体はまるで不明だった。捜査本部で明智の指揮のもと黒蜥蜴について話し合っている最中、小型ドローンが入ってくる。明智は慌てずそこに取り付けられていた予告状の存在に気付く。今回のターゲットは『聖夜の涙』と呼ばれる宝石。ところが明智は黒蜥蜴のこれまでとは異なる手口を見て、黒蜥蜴が怒っていると睨み、いよいよ黒蜥蜴と会えると心を躍らせていた。

『黒蜥蜴』と言えば江戸川乱歩の明智小五郎シリーズの中でも非常に印象深い作品である。他作品とのコラボである『黄金仮面』を除けば、明智をとことんやり込めたのは黒蜥蜴だけだろう。美しく大胆な女怪盗・黒蜥蜴。明智との勝負は紙一重の差で勝ったり負けたり。そのスリリングな展開もさることながら、そのクロースゲームの間に二人の間に愛が芽生えるという他にはない要素が組み込まれている。原作の『黒蜥蜴』のラストシーンで、戦いに敗れた黒蜥蜴が明智の腕の中で愛を告白しながら息を引き取る場面は優れた女怪盗に敬意を払うような心に残る名場面である。

その『黒蜥蜴』を2015年バージョンで実写化。昭和の時代ならともかく、『黒蜥蜴』に登場したようなトリックは現代では通用しない。警察の捜査自体が大きく変わってしまったのも勿論のその一因だが、江戸川乱歩作品に登場する大胆なトリックは今となってはトリックにもならないものが多い。それをどうアレンジするのかを楽しみに見ていたのだが、結果から言えばまるで別物となってしまった。何しろ明智が警視庁副総監なのだから、もはや探偵物という意味すらなしていない。

捜査本部にドローンで犯行予告が送られてきた際、刑事全員がドローンを追いかけて捜査本部はもぬけの殻になったり、黒蜥蜴を装った劇団員達が踊っている(?)間、警察はただ見ているだけで誰も手出ししようとしなかったり等々突っ込みどころは多い。また黒蜥蜴に悲惨な過去があるような下りがあり、黒蜥蜴を妙に人間臭くしてしまっている。

満足度は★★★★

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ダマシバナシ

  • 2015.12.21 Monday
  • 00:54
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【出演】 広瀬アリス、志尊淳、前田公輝 他
【放送】 2015年(日テレ)

朝陽、真昼、星也は仲の良い三人兄弟。両親が亡くなってから三人の生活を支えているのは専ら次男の星也で、大学院生の朝陽の学費も三人の生活費も星也一人の肩にかかっている。しかし朝陽は学生の身分である事に甘え家の事にはまるで関心がない。また真昼も付き合い始めた恋人に夢中で朝っぱらから台所を占領して料理の練習をする始末。勝手な兄と姉に星也は怒り出す。

そんな風に始まった三人一緒の一日も朝陽、真昼、星也それぞれに別々のドラマが待っている。彼らがどんな一日を過ごしたかをオムニバス形式で送る。

星也の物語
星也が生活を支えるために選んだ仕事の様子を描いたブラックサスペンス

真昼の物語
恋人の浮気中に家を訪ねてしまった真昼の恋愛ホラー

朝陽の物語
美人教授の誘惑に煩悩爆発の捧腹絶倒コメディー

どの話も一日の始まりは同じでラストも同じ場面で締め括られる。但しラストには必ずオチが用意されていて、しかも三つのストーリーが終わった後に更に驚くべきオチが用意されているというオチに次ぐオチの構造を取っている。

三つのドラマそれぞれが完全に独立した話になっていて、全く作りも異なる。担当する脚本家が全て違うので、全く別のドラマとして見る事も出来、短いながらにその中に特色が良く出ている。単発の企画物だからこそ取り入れられる面白い試みである。ただやはり最後には続きを見たければ有料放送を視聴しなければ見られないとのこと。結局は『Hulu』への誘導目的だと判ってがっかりだった。

満足度は★★★★

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遺産争続

  • 2015.12.20 Sunday
  • 01:36
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【出演】 向井理、榮倉奈々、伊東四朗 他
【放送】 2015年(テレ朝)

葬儀会社一族に貧乏研修医が婿入りした事から遺産を巡ってバトル勃発!欲に塗れた一族を描いたホームドラマ。ナレーションは高畑淳子が務めている。

明共医科大学大学病院の研修医・佐藤育生は天候の悪い日でも急患が出れば休日返上で病院へ駆け付ける勤勉な青年。ある日、入院中の葬儀会社『カワムラメモリアル』会長・河村龍太郎の容体が急変する。龍太郎の危篤の知らせを受けた河村家の面々が病室に次々現れる中、病室へ入ってきたのは育生だった。肩書の研修医を見た家族が騒ぐ中、育生は少しも動じず家族を黙らせ龍太郎を処置室へと運び出す。残された河村家の面々が口にしたのは遺産相続の話だった。しかし龍太郎の急変の原因が糖尿病の癖にこっそり大福を食べたためと判り、遺産を狙っていた河村家の人々は落胆する。実は龍太郎の孫娘・河村楓と育生は恋人同士。来週、龍太郎が退院するのを機に、育生は河村家に挨拶に行くと決意する。ところがこの結婚が河村家の遺産相続を巡る火種となってしまう。

家族の遺産を巡る泥沼の戦いを期待していたのだが、完全に期待外れ。火種をあちこちに用意した割には不完全燃焼で終わった感がある。何しろ家族内部の争いは各々がただ野心を膨らませるだけで何のアクションも起こさない。育生の扱いが変わる度に周囲は疑心暗鬼に陥り、おどろおどろしいナレーションが煽ってさあこれからという時に期待を裏切って大した事は何も起こずに進んでいく。これでは肩透かしも良い所。ナレーションが絶品だっただけに勿体ない。

また主演の向井理はどうしても印象が大人し過ぎてしまう嫌いがある。これは妻役の榮倉菜々も同じ事が言える。見終わった後、印象に残るのは脇役のセリフや表情ばかり。脇を固める俳優陣の個性が強い面々というのも一つの原因となっているが、諍いのあるストーリーならばやはり主役には他を圧倒する存在感がないと話にならない。それとも戦わない主人公という設定があるためどうする事も出来なかったのだろうか?

満足度は★★★

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コウノドリ

  • 2015.12.19 Saturday
  • 09:02
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【出演】 綾野剛、松岡芙優、吉田羊 他
【放送】 2015年(TBS)

天才ピアニストの一面を持つ産婦人科医を中心に産婦人科医療の現場を描いたヒューマンドラマ。原作は鈴ノ木ユウのコミック『コウノドリ』。

ライブハウスでコンサートの最中、突然ピアニスト・BABYが演奏を中断し、満員の観客を残して舞台を下りる。開演後10分の出来事だった。彼は天才ピアニストであると同時にペルソナ総合医療センターの産婦人科医の鴻鳥サクラ。研修医の下屋加江から緊急要請の電話が入ったのだ。患者は通院歴のない未受診妊婦。感染症の疑いもあり、非常にリスクが高く、どこも受け入れを拒んでいるらしい。サクラは即受け入れを決め病院へと急ぐ。緊急搬送された矢野夏希を診察すると赤ん坊は首にへその緒が絡んだ状態で酸素不足に陥っていた。どこで聞きつけたのか助産師の小松留美子も駆けつけ母子共に無事出産を終える。しかし彼女は翌日赤ん坊をNICUに置き去りにして病院から姿を消してしまう。

命の誕生を扱う産婦人科だが、同時にそこには十人十色の人間ドラマがあって誕生だけでなく死を扱う事もある。勿論、患者だけでなく医師たちにもドラマがある。そんな喜怒哀楽を産婦人科医である鴻鳥サクラを中心に描いていくのだが、何が良かったかと言えば鴻鳥サクラを演じた綾野剛の諭すような優しい口調に尽きる。色々な医師はいるが同じ能力を持つ医師であれば冷たく言われるより、優しく言われた方が良い。同僚の四宮と両極端であるため、余計にそれが際立った。

また出産は産んでそれでおしまいというわけではない。赤ん坊が生まれてからが親達の本番となる。このドラマはそちらのその後の人生にも目を向けている点に好感が持てる。出産時の妊婦の死亡により予期せずシングルファザーとなった男性の話や、健康体で生まれてこなかった子供の話等々親達の葛藤が随所に見られた。

原作ありきのドラマだからか扱っている題材の視点が良い。どんな難しい症例でも必ず治してしまうスーパードクターがいるわけでもないので、人を惹きつける盛り上がりには欠いているが良い意味でも悪い意味でもごく一般的な医療現場の枠組みを越えない事に拘ったドラマだった。

満足度は★★★★★

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結婚式の前日に

  • 2015.12.18 Friday
  • 02:01
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 香里奈、鈴木亮平、真野恵里菜 他
【放送】 2015年(TBS)

結婚式まであと100日。その時花嫁に下された診断は脳腫瘍だった。型破りな母と娘が歩んだ100日間の物語。

築地育ちの芹沢ひとみは園田悠一との結婚式を控え、その準備に追われる一方、仕事でもプロジェクトリーダーを務める等公私ともに充実した日を送っていた。実家は築地で寿司屋を営んでおり、店の客もひとみの結婚を心から祝ってくれた。ある日、人間ドックの結果を聞きに行ったひとみは自分が脳腫瘍であることを聞かされる。何の症状も見られぬひとみは寝耳に水。しかも腫瘍はできた箇所が悪く手術はできないという。予期せぬ事態に誰にも相談できず、ただ釣り同好会の友人・リカにだけその事実を伝える。翌朝、父親に打ち明けようとした矢先、唐突に死んだと聞かされていた母親・柏田加奈子が娘の結婚すると聞いて帰ってくる。実は死んだのではなく、離婚してアメリカで仕事をしていたのだ。脳腫瘍に死んだはずの母親の登場。立て続けに起こる事態に頭が整理し切れないひとみだったが、仕事中に手に痺れを感じ、初めて脳腫瘍を自覚する。

仕事もプライベートも好調でこれからという時期に脳腫瘍と判断され絶望したヒロインがそんな状況下でも頑張って生きる姿を描いた闘病記と、とある事情から離れ離れになってしまった母親と娘が不器用ながら母娘の絆を取り戻すまでを描いた家族愛の物語と、人に感動を与える要素を二つも併せ持った如何にもお涙頂戴上等の内容がどうしても鼻についてしまう。それを豪華なキャスティングで微笑ましく作り上げてはいるのだが、病気の主人公の話はもうお腹いっぱい。良い話であるのは判ってはいても、病人を扱う重苦しさや生死を見つめた重い内容は好んで見たいとは思わない。

ヒロインのひとみが病気になっても全てを諦めずに出来る限り笑顔で過ごそうとする姿は確かに病気の人に勇気を与える内容かも知れない。ただそれは裏を返せばひとみの往生際の悪い欲深さでもある。このドラマではまるでひとみはお姫様。周囲の人達はひとみが残された時間を悔いなく生きるためにどうすれば良いのかを考え、ひとみの願いを出来る限り叶えようとアクションを起こしている。しかし現実はこのドラマのような優しい世界ではない。むしろ病気に理解を示す人の方が少ないと思える。そう考えるとこのドラマは病人のために周囲の人はこうあるべきだと理想的な構図を示したドラマだったと言える。しかしそれはあくまである側面から見た理想であり、看護する人間の立場で考えた場合本当にそれが理想と言えるのかどうか甚だ疑問である。

さて病気ともう一つの主体となっているのが親子の絆。母親の行動が破天荒過ぎて捉えどころに困るのだが、娘を愛しているからこそダメ元であれこれ先走ってしまうのは判る。ただこの母親にしてもやはり身勝手さは否定出来ない。娘のためにと言いながら、結果として判断の根本にあるのは自分自身の罪悪感や使命感。娘の気持ちよりも常に自分の気持ちを優先して、周囲を巻き込んでいく。実際にいたらはた迷惑な人なのだが、ドラマの中では非常に良い人として描かれている。ストーリー次第でどうにでもなってしまうのがドラマの凄さだろう。

満足感は★★★

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無痛〜診える眼〜

  • 2015.12.17 Thursday
  • 00:28
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【出演】 西島秀俊、伊藤淳史、伊藤英明 他
【放送】 2015年(フジ)

相手を観察するだけでその相手の病名や犯罪者特有の犯因症が判る特殊能力を持った町医者が刑事でありながら犯因症を持つ男と出会った事から、犯罪に巻き込まれていくミステリーサスペンス。

小さな診療所を営む町医者の為瀬英介は患者の外見から病気が見えてしまうという特殊能力の持ち主。しかし見えるのは病気だけではない。犯罪者特有の犯因症さえも見えてしまう。ある日、義姉で看護師の井上和枝と一緒に町を歩いている最中、犯因症が顔に浮かび上がる青年を目撃する。危機を察知した為瀬は携帯で和枝に伝えようとするが、和枝は井戸端会議に夢中で気付かない。仕方なく警察に通報する。ようやく為瀬が和枝に青年の周囲の人々の非難させるよう伝えた時、危惧していた通り青年は刃物を振り回し近くの妊婦を襲った。咄嗟に庇った和枝が被害に。その後も青年は次々人を傷付けていく。事態に気付いた巡回中の警官は拳銃を青年に向けるが、青年が両手を広げて無抵抗を装ったため発砲を躊躇して撃てなかった。その時、現場に到着した早瀬刑事が代わりに躊躇いも無く青年に向けて発砲する。

シリアスタッチの重苦しい雰囲気を漂わせるドラマで、主要人物のほぼ全員が何らかの闇を心の中に抱えており、その闇を解き明かしながら事件の核心をついていくという流れになっている。一見刑事ドラマのようにも見えるが、主人公に非現実的な特殊能力を持たせてしまった時点で「ああ、またか」と落胆を隠せない。オーソドックスな刑事ドラマが出回り過ぎてしまったせいか、昨今登場人物に何かしらの特殊能力を持たせるドラマが多くなってきた。ミステリー系のドラマでこれをやられると一気に萎える。小説にしろドラマにしろ現実世界を模倣した表現の一つであるのは判っているが、そこには現実社会に近づけようとする意図があり、現実的な世界観で行われてこそ共感が生まれる。このドラマの場合、主要人物の心の闇には同調するものの、主人公に特殊能力をつけて正義のヒーロー化させるのにどうも抵抗を覚えた。しかもその能力を持つ人間が他にも出てきてしまい、こうなると完全に興ざめである。

ところでドラマでは犯因症はCGで表現している。想像上の表現のため苦肉の策だとは思うが、真っ黒な目の人の顔にうにゅうにゅうにゅっとみみず腫れが走るとついゴリラを想像して、不気味さを醸し出すはずが笑いが込み上げてしまう。それが良いのか悪いのか非常に悩むところ。また無痛症の青年に至っては『犬神家の一族』を思わせる。いつマスクが取れるのかと変な所に考えが及んでしまった。

色々難点はあるものの、せめて最後はすっきりと終わって欲しかったというのが本音。事件は解決しても人の心にしこりは残ったまま。赤ん坊の泣き声での幕引きはもはやホラーである。面白いかと問われると微妙なライン。

満足度は★★★

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