11人もいる!

  • 2011.12.18 Sunday
  • 01:27
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 神木隆之介、加藤清史郎、田辺誠一 他
【放送】 2011年(テレ朝)

貧乏な大家族+幽霊が巻き起こす騒動を描いたクドカンワールド全開のホームコメディー。従来のホームドラマにはない奇想天外の展開に個性豊かな登場人物。深刻な問題を扱いながらもそれらをあっけらかんと受け流し、ケセラセラと生きる大家族を笑いをふんだんに織り交ぜながら突き進んでいく。

真田家は8人の子供を抱えた10人家族。カメラマンの父親は生活力がなく、家族を養うどころではない。貞淑な母親がカフェ『日だまり』を営みながら家族を支え、足りない分は高校三年生の長男・一男のバイトの稼ぎで賄っている始末。一男は何を犠牲にしても家族のために働くことが長男の務めだと思っていた。ある日、末っ子の才悟は押し入れの中に隠れているド派手な女を見てしまう。彼女の正体はメグミ。父親の亡くなった前妻であり、才悟以外の子供達の母親でもある。つまり幽霊!霊感の強い才悟だけはメグミを見ることが出来るらしい。以来、メグミは真田家に居座るようになる。

ドラマを見て真っ先に思ったのは

”神木隆之介にそんな役やらせるな〜!!”

最初は面倒臭い苦労性の長男から始まって、ゲイバーでバイトし、行きずりの女の子を妊娠させ、更には大学デビューのチャラ男って・・・。イメージダウンどころの騒ぎではない。良くこの役を引き受けたものだと感心するばかり。ある意味、これまでとは全く異なる役に挑戦して殻を破る効果を狙ったのかも知れないが、笑いどころのはずなのに痛々しくて見ていられない。

次に思ったのは

”清史郎君にオッパイ、オッパイ言わすな〜!!”

当人が子供子供しているのでいやらしくはならないのだが、幾らなんでもアダルティな視点のエロに走り過ぎだろう。そこで笑いを取りたいのは判るが・・・。

とは言うもののこんな奇抜な配役が出来てしまうのもクドカンの偉大さと言える。

その反面、こんな突拍子もないドラマは見る側もかなり寛大でなければ受け止めきれない。正直、ギャグが古い。ほぼ親父ギャグに偏っていると言っても良い。ヤバイ発言もてんこ盛り。そのノリで現代の社会問題に切り込もうとしているので、親父ギャグで笑える感性が無ければ白けてしまうだろう。

また奇想天外の発想は裏を返せば業界人だからこその発想とも言える。結構深刻な問題に直面しているのにそれぞれの登場人物が飄々と過ごしてしまうのは現実味がない。しかしあまりドラマに拘りを求めない昨今の若い世代にとっては見易いと感じるドラマなのかも知れない。

満足度は★★★
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医療捜査官 財前一二三2

  • 2011.12.17 Saturday
  • 00:13
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 高島礼子、西村雅彦、伊藤かずえ 他
【放送】 2011年(フジ)

医師と刑事の二足の草鞋を履く異色の医療捜査官が活躍するサスペンス。今年の春放送された『医療捜査官 財前一二三』の第二弾!

ランニング中の五十嵐刑事はホームレス達の騒ぎに駆け付けた所、思いがけず冷たくなった遺体を発見する。早速遺体は横浜中央大学病院の法医学教室に運ばれ、法医学者の真弓と病理医の坂巻が解剖を担当した。真弓は五十嵐刑事に事件性はなしと報告したが、血中に筋弛緩剤が認められたため、医師免許を持つ財前一二三警視も立ち合いの下、再度遺体を調べ直す。結果、口内の注射痕を発見する。遺体は他殺だった。実は一二三は連続保険金殺人の潜入捜査の真っ最中。どうやら事件に坂巻が関わっていると突き止めたまでは良かったが、坂巻は姿を消してしまう。

「そうでしょうか?」

法医学者の真弓は言ってみれば司法解剖のプロである。彼女の経験と知識から下された診断に普通ならば真っ向から意見を言う人間はいない。しかし一二三だけは別。医師だけでなく刑事としての観点から二面的な物の見方をし、その上で診断が間違っていると思った理由をずばずばと述べていく。法医学教室からすれば一二三はとことん嫌な奴ではあるが、学術上の知識だけで診断を下す学者を切り捨てる様は見ていて爽快である。

さて前回は一二三のおもり役だった五十嵐刑事だが、今回は前回程一緒に行動することはない。もうその任務は果たしたと見える。しかし相変わらず五十嵐刑事にとって一二三は苦手な相手に相違ない。全く一二三と異なるタイプの真弓に一目惚れしてしまったのも、一二三に対する苦手(劣等?)意識の表れなのかも知れない。

事件はやがて別の事件とも関連性を呈していく。但し刑事物だからと言ってミステリーを期待していると期待外れに終わる。メインキャスト以外の人があっちもこっちも事件に関与している人々ばかりで、ただ事件の動向を見ている間に終わってしまうキライがある。

今回は医療捜査官の特性がさほど活かされていなかったように感じた。方向性がぶれているだけに、今後もコンスタントに制作されるシリーズ物になるかは非常に微妙。

満足度は★★★
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DOCTORS〜最強の名医〜

  • 2011.12.16 Friday
  • 00:35
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 沢村一樹、高嶋政伸、比嘉愛未 他
【放送】 2011年(テレ朝)

経営難に陥った個人病院に救世主の如く現れた天才外科医の活躍を描いた医療ドラマ。医療ドラマでありながら、命の大切さや見事なメス捌きといった医療ドラマにありがちな医師の素晴らしさよりも、医師達が医師としての自覚を持ち、病院全体が一丸となって一つの目標に向かっていくチームワークに目を向けた内容となっている。

赤字経営に頭を痛める堂上総合病院では新たに外科医・相良を雇うことになった。しかも給料は外科医としては破格の値段。堂上院長が本当にその条件で良いのかと問うと、相良は自分の仕事ぶりで判断して欲しいとさらっと答える。一方、病院で幅を利かせていたのが院長の甥で、病院の後継者の森山。森山を中心とする外科医達は医師としての自覚に欠け、威張り放題だった。

相良が腐り切った外科医達の根性をたたき直し、自分の職場と選んだ病院をより良く改善していくというストーリー。自分の医師としての信念に則って行動する相良は崇高な目的に向かう情熱的な医師のように聞こえるが、実際にはかなり狡猾で強かな人物である。性根の腐った医師達の言い分を笑いながら受け流し、あらゆる手段を使って病院全体が意識改革するように仕向けていく。

一方、対する森山達は医師の資格にふんぞり返っているものの、非常に単純でまるで子供がそのまま大人になったような輩ばかり。これなら確かにコントロールするのは簡単だっただろう。

もし職場が嫌な場所だったら、そこで自分まで腐るより、自分の居心地の良い場所にしていく方がどれだけ良いだろう。相楽の考えの根本はここである。これはどの職場にも通じることなのではないだろうか。

ところでタイトルを見てまず思ったのは、似たような名前のドラマがテレビ東京で以前に放送されていて、同じ医療ドラマだった。設定が多少違っているものの主人公の信念は同じ。せめて違うサブタイトルをつけた方が良かったのではないだろうか?

満足度は★★★★
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HUNTER〜その女たち、賞金稼ぎ〜

  • 2011.12.13 Tuesday
  • 23:40
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【出演】 米倉涼子、谷原章介、小泉孝太郎 他
【放送】 2011年(フジ)

様々な事情を抱えた女達が賞金稼ぎ(バウンティハンター)で金稼ぎをしながら悪と対決する勧善懲悪のドラマ。赤、青、黄、ピンク、緑というコーディネートはどうやら戦隊物をイメージしているらしい。

キャビンアテンダントの井坂黎は既に三十代後半。上司から退職を勧められても全く相手にしなかった。ところがある日妹の茜が黎を保証人にして借金し、姿を消したと判る。茜の経営していた小料理屋『春夏冬』は既にもぬけの殻。茜の娘・春が一人で暮らしていた。仕方なく黎は退職を受け入れ、退職金で借金を完済する。黎は小料理屋『春夏冬』の二階へ引っ越し、茜を自力で探し出す決意をする。

後輩の純、店で働いていた和美、DV夫から逃げ回っている真知子、そして小学生の春が加わって最終的に5人でバウンティーハンターをしていく話なのだが、必ずしもそれが上手くいくわけではない。失敗すればそれまでの捜査は全てパー。勿論犯人に関する証拠が掴めず暗礁に乗り上げることだってある。一攫千金狙いなら良いが、そうそう上手くいかないのがバウンティーハンターなのである。

中堅〜ベテランの豪華な俳優陣をずらりと勢揃いさせたのに、さほど話題にあがらなかったのはバウンティーハンターになることを決意するまでの経緯があまりに長過ぎる点にある。正直初回の拡大スペシャルでは途中で飽きてしまい、次回の放送を見るのを躊躇ってしまうほどだった。コミカルではあるものの初っ端からかなり滑っていた。またこのドラマの目的がバウンティーハンターにあるのか、茜の事件にあるのかもどっちつかずである。

このドラマの見せ場は後半の茜の事件にある。実は巨悪と対決する最終回が一番面白い。但しそこに至るまでの話の持って行き方に難があるため、視聴者がそこまで我慢して付き合うかどうかは非常に微妙。

満足度は★★★
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悪女たちのメス

  • 2011.12.11 Sunday
  • 10:40
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【出演】 仲間由紀恵、瀬戸朝香、福士誠治 他
【放送】 2011年(フジ)

手術後、少女が亡くなった。少女の死を巡って一人の天才脳外科医が背後の思惑を暴いていく医療の世界を舞台にした本格ミステリー。原作は秦建日子著の『インシデント 悪女たちのメス』。天才外科医に仲間由紀恵が、相対する医療コーディネーターに瀬戸朝香を起用され、二人の女優の対決が見所となっている。

聖カタリナ病院に勤務する冬実は病院きっての天才脳外科医。ある日、病院に頭痛に悩まされる女子高生のさやかがやって来る。実は医療コーディネーターの永遠子が冬実を推薦したらしい。検査の結果、冬実がさやかの手術を担当することになる。ところが手術の際、冬実は寝不足で、スタッフの一人が怪我で別のスタッフと変わるという事態に直面する。おまけに手術中に経済界の大物がくも膜下出血で運び込まれ、その手術も冬実が執刀する羽目になる。ハプニング続出の中、どうにか手術は無事終了したかのように見えたが、手術後さやかの容態が急変し亡くなってしまう。

さやかは何故亡くなったのか?

まず疑われるのは医療ミス。幾ら天才脳外科医でも悪条件がこれだけ重なると、流石に自分の執刀に自信が持てなくなる。まして当日は睡眠不足だった。脳裏に浮かぶのは悪い想像ばかり。手術にミスが無かったかどうかを確認するには手術の一部始終を撮影した映像のDVDを見れば良いのだが、何故かそのDVDが消えてしまっている。冬実はDVDの是が非でも手に入れなければならない状況に追い込まれていく。

手術後のDVD攻防戦が面白かった。最初はオークションから始まり、次第に生死に関わるような攻防戦が冬実と永遠子の間で繰り広げられる。しかし一向に犯人の目的が判ってこない。二転三転する展開、そしてそこにそれぞれの人々の思惑が絡み合い、サスペンスタッチの展開はなかなか見応えがある。

トリックなどがあるかと言われればそうではない。これはあくまで冬実と永遠子間での心理戦がメインなのである。自分の信念をぶつけ合う二人の女性の間で明らかになる真相。そして最後に笑うのは誰なのか? 最後まで勝敗の判らない対決こそがこのドラマの見どころである。

但し原作者が『推理小説』(ドラマ『アンフェア』)と同じせいかまたもやオークションを利用するのは能がない。他にも医療現場を舞台にしているにも関わらず、あまり医療の内容に踏み込んではいないなど、心理戦以外のストーリーに関しては通り一遍の知識だけで押し切ったような感じが否めなかった。

気になったのが仲間由紀恵と冬実のイメージが合わない点。設定上、かなりきびきびした役に思えるのだが、仲間由紀恵が演じるとどうしてもおっとりした部分が目についてしまう。トレードマークの美しい長髪も忙しい女医のイメージを損なっているように感じる。また仲間由紀恵と福士誠治が同期の同僚というのも絵柄的にちょっと無理があった。

満足度は★★★★
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らんま1/2

  • 2011.12.10 Saturday
  • 00:02
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【出演】 新垣結衣、賀来賢人、夏菜 他
【放送】 2011年(日テレ)

高橋留美子の人気コミック『らんま1/2』の実写化ドラマ。頭からお湯をかけると性別が逆転してしまう体質になってしまった格闘家のらんまと婚約者のあかねが巻き起こす格闘ドタバタコメディー。本来主演はらんまなのだが、今回のドラマの主演はあかねの方。新垣結衣がロングのストレートヘアをばっさりと切って、格闘アクションに挑んでいる。

天道あかねは天道家の後継ぎとして道場を守っているが、あまりに強すぎて弟子が次々辞めてしまう始末。学校ではあかねを我が物にしようと決闘を申し込む輩が後を絶たず、中でも九能先輩のしつこさには頭を痛めていた。そんなある日、父親から後継ぎは男にすると宣言され、しかも許嫁まで勝手に決められてしまう。当の許嫁である早乙女らんまが学校へ現れる。相手が女の子だと判ってほっとするあかねだったが、実はらんまは頭からお湯をかぶると性別が変わってしまう特殊な体質だった。

らんまとそしてらんまの父親(こっちはパンダになる)のおかしな体質はとある泉を浴びれば治るという。その泉を求めてらんまは父親共々天道道場へとやって来るのだが・・・。

お湯を浴びると性別が変わるため、らんま役には賀来賢人と夏菜が二人一役で演じている。原作が格闘主体の漫画で、どちらかと言えばストーリーそっちのけで格闘のどたばたの間に毎回終了してしまうという流れになっている。しかしそこは二時間枠のスペシャルドラマだけに格闘場面ばかりとはいかない。まして漫画のように常識では考えられないオーバーなアクションは出せないだけに、ストーリーの方が主体となっている。

アクション場面はCGを使って頑張ってはいるものの、殆ど本人がアクションを行っているのは構えのポーズのみという何とも寂しい限りである。まあ、子供向けのドラマスペシャルと割り切って考えれば良いのかも知れないが、原作やアニメの良さを知っていると物足りなさは否めない。

しかし何故に敵の組織がレイザーラモンHGの扮装なのだろう?

満足度は★★★
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境遇

  • 2011.12.04 Sunday
  • 00:35
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 松雪泰子、りょう、いしだあゆみ 他
【放送】 2011年(テレ朝)

幼児誘拐事件をきっかけに封印された過去の真実が明らかになっていくミステリーサスペンス。原作は湊かなえ著の『境遇』。これは作者の初のドラマ書下ろし作品であり、ABC創立60周年記念のスペシャルドラマとして制作された。

高倉陽子は絵本作家として活躍する一方、県会議員の夫と5歳の息子と共に幸せな暮らしを築いていた。そんな中、テレビ局主催の絵本大賞で新人賞を受賞する。数か月前に不正献金疑惑がかけられていた夫のイメージ回復のため後援会会長や姑が陽子を必死にメディアに押し出そうとけしかけていた。夫がソウルの国際会議へ出かけた後、スイミングスクールの帰りに息子が突然姿を消す。その頃、選挙事務所に息子を誘拐したという内容の脅迫文が届いていた。

登場人物の様々な人間模様が描かれていく中で行われる幼児誘拐事件。しかし実はそれぞれの登場人物の人間像を詳しく表現しているだけで、一見複雑に見える事件もてんこ盛りにされたそれぞれの事情を振り解けば実にあっさりとした軸のストーリーだけが残される。まあ、『徹子の部屋』ならぬ『ミツコの部屋』には笑ったが、その他は特別特記すべき点もなくただただストーリーが進んでいく。おそらく最後に明かされる最大の謎を如何に効果的に見せるかに絞って練られたストーリーなのだろう。

児童施設で育った仲の良い二人がやがて岐路に立って違う道を歩み始める。それは誰のせいでもなく、定められた運命でもない。自分自身が選んで信じて進んだ道であり、その先には想像もしなかった未来が待ち受けている。不幸になるも幸せになるも道を選んだ自分に与えられた未来なのである。

そんな二人の間に起こった心のすれ違い。それがこのドラマの全てともいえる。しかし確かにこのドラマの主人公である陽子はとことん恵まれている。何をしても決して悪い結果に繋がらないのだから。

満足度は★★★★
湊 かなえ
双葉社
(2011-10-05)

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第三の女

  • 2011.12.02 Friday
  • 23:06
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 村上弘明、小沢真珠、菊川怜 他
【放送】 2011年(フジ)

夏樹静子作家生活40年を記念したドラマスペシャル。見知らぬ女と交換殺人の密約を交わした医師が巻き込まれた連続殺人事件。原作は夏樹静子著の『第三の女』。

小児科の医師・大胡はネットで知り合った女・鮫島史子と意気投合しパリで会う約束をする。二人には殺したい相手がいるという共通点があった。史子と大胡はその夜の内に強く惹かれあい、顔も見えない薄暗い部屋の中で結ばれてしまう。彼女について判っているのはゲランの匂いを漂わせ、永原翠という女を殺したいほど憎んでいるということだけ。帰国して間もなく大胡が殺したいほど憎む相手・悪徳教授の吉見が死亡する。警察は大胡を疑ったがその時間大胡にはアリバイがあった。謎の女が吉見の周囲をうろついていたと聞いた大胡は、吉見を殺した犯人は史子だと確信し、次は自分が手を下す番だと永原翠に会いに行く。

老いらくの恋とでもいうのだろうか? 交換殺人の決行に躍起になる大胡は、その一方で一夜限りの関係を結んだ史子を探し回る。見回せば謎の女・史子と思しき女がそこらじゅうにいる。顔も知らない相手なのだから誰もが史子になり得るのだが、その中で大胡が探し求めているのはただ一人。一体誰が本物の史子なのか? 史子を探し回る大胡の目はぎらつき、さながら熟年男性が忘れかけていた愛の衝動に突き動かされているかのようだった。

ドラマは二時間枠のドラマなので事件自体は意外とあっさりしたものだった。とはいうもののやはり夏樹静子作品だけあって、主人公は男性でありながらも女性の深層心理に迫る展開は秀逸で、このドラマを小説で読んだらどれだけ面白いだろうと窺える内容になっている。逆に言えば繊細な心理描写が絡むストーリーはドラマにすると面白味が半減するのは致し方ないのかも知れない。

サスペンス物ではお馴染みのベテラン女優達による豪華な饗宴ではあったのだが、それぞれが謎めいた雰囲気を漂わせつつも出番の少なさが致命的。それぞれの女優陣の良さが出ないままに打ち切られてしまうのが何とも残念だった。

満足度は★★★★
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浅見光彦シリーズ第42弾 悪魔の種子

  • 2011.11.18 Friday
  • 23:13
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 中村俊介、遠藤久美子、蟹江一平 他
【放送】 2011年(フジ)

内田康夫原作のフリールポライター浅見光彦が活躍するシリーズ第四十二弾。ふらふらと根なし草のような生活を送る浅見光彦が事件を解決するスタイルが好評で、これまでにも度々各局でシリーズ化されているトラベルミステリー。中村俊介はフジテレビの浅見光彦シリーズでは二代目浅見光彦を務めており、初代の榎木孝明は兄役を演じている。中村俊介主演となってからは第二十八作目となる。原作は内田康夫著の『悪魔の種子』。

浅見光彦はお手伝いの須美子に頼まれて幼馴染の由紀子と会う。由紀子には同じ岩手農業研究所で稲の品種改良を手掛ける西見という恋人がいる。彼は秋田県南部の西馬音内の盆踊りで変死した窪田の殺害容疑で逮捕されていた。由紀子から事件を調べて欲しいと頼まれた光彦は宮沢賢治の取材の傍ら、窪田の事件を調べ始める。

今回はドラマ開始早々宇宙の映像に汽車が映し出される。咄嗟に『銀河鉄道999』を思い浮かべたのだが、正解は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のイメージ映像。それが判るのが光彦が登場してからとなるが、その前に祭の最中に起こった殺人事件に切り替わる。それにしてもこの映像、ちょっとちゃち過ぎないだろうか?幾ら本編に絡んで来ないとはいえ、3Dモデリングされた銀河に明らかに質感の違う汽車の映像は付け焼刃で作った合成映像という感じがありありと出ていた。

珍しいのはいつもは疑われて逮捕されてしまうのは光彦なのだが、今回は別の人間、西見が逮捕され、西見の無罪を晴らすために光彦が動き回ることになる。しかも一緒に付き纏っている由紀子が先に正体をばらしてしまうのでいつものお約束の展開は拝めない。しかし兄が警察のお偉いさんだからと言って、警察は一般人の光彦にどうして快く捜査上の情報を渡してしまうのだろう。毎度の事ながら不思議極まりない謎である。

『悪魔の種子』が何を指しているかは次第に明らかになっていくが、ドラマではバイオテクノロジー分野の研究技術が進歩するに従って問題視されるようになった遺伝子組み換え食品についても着目している。ただストーリーの中にその話題を取り入れるだけでなく、そこにどんな問題が潜んでいるのかをさりげなく紹介している。それもあって今回はトラベルミステリーと言うより、現実の社会問題に目を向けた社会派ミステリーの色が濃く表れている。逆に本来メインとなるはずの連続殺人事件の影が薄くなってしまった。

しかし相変わらず色恋沙汰には無縁なのは言うまでもない。

満足度は★★★★
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ステキな隠し撮り 完全無欠のコンシェルジュ

  • 2011.11.12 Saturday
  • 00:32
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【出演】 深津絵里、竹内結子、三谷幸喜 他
【放送】 2011年(フジ)

三谷幸喜監督の映画『ステキな金縛り』の公開を記念して制作されたスペシャルドラマ。ホテルの新米コンシェルジュが客とコミカルに応対していく姿を通して、映画に出演している俳優陣を起用し監督自ら映画宣伝を行う等、完全に映画の宣伝を目的とした内容となっている。

西條はホテルのコンシェルジュになってまだ一か月の新米。上司であるベテランコンシェルジュからは客の要求は決して断らないのがコンシェルジュの仕事だと常々教育は受けているものの、細々とした要求を次々並べる客に「自分で連絡すれば?」と言ってしまう始末。彼女はこの仕事が自分には合っていないと思えてならなかった。しかしホテルの客は容赦なくコンシェルジュに頼み事をぶつけてくる。果たして西條はコンシェルジュとして客の悩みを解決することが出来るだろうか?

はっきり言ってこのドラマはドラマと言うよりコントである。用意されたセットはコンシェルジュの控えるホテルのエントランスと、ホテルの一室だけ。呼び出される時は○号室やVIPルームと様々な呼び名がされているものの、セットは全く一緒。そこに映画に出演する俳優陣がそれぞれ奇抜な役柄で登場し、西條に身勝手な無理難題を押し付けるという流れが延々続いていく。個別のエピソードは三谷幸喜ワールド全開!笑いの部分はお約束の内容が殆どであるものの、突拍子もない話の発展性はまさに三谷幸喜ならではのドラマになっている。

西條に頼み事をする客は料理の出来ない料理研究家やら、夢中になると自分が脱いでしまうカメラマンやら、振付が思いつかない振付師などなど一癖も二癖もある連中ばかり。それに応対する西條自身、人の話を聞くのが苦手と来ている。おまけにミーハーで無知で感情がすぐに顔に出てしまうというコンシェルジュとしては致命的な欠点ばかりの女性。これですんなり仕事がうまくいくわけもなく、当然ながら毎度騒動が起きてしまう。

中でも竹内結子と深津絵里の絡みは凄まじい。ニョッキを作るまでの過程を描いているだけなのに、唖然とする調理経緯は元より、二人の嬉々とした言い合いは見物である。すべてのエピソードの中でこのエピソードが一番楽しかった。

満足度は★★★★
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